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イタリアのラグジュアリーブランド創始者ブルネロ・クチネリの人生と思想に迫る『ブルネロ 静かなる先見者』がいよいよ劇場公開!

2026年11月3日

©BRUNELLO CUCINELLI SPA AND MASI FILM 2025 Credit: Photo by Stefano Schirato

 

イタリアのラグジュアリーブランドの創始者ブルネロ・クチネリの半生と思想に迫ったジュゼッペ・トルナトーレ監督によるドキュメンタリー『ブルネロ 静かなる先見者』が11月6日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ブルネロ 静かなる先見者』は、『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督が、イタリアのラグジュアリーブランド”ブルネロ クチネリ”の創業者ブルネロ・クチネリの人生と思想に迫ったドキュメンタリー。農村で育ったブルネロ・クチネリは、父が職場の工場で尊厳を踏みにじられるような扱いを受ける姿を見た経験から、“人間の尊厳ある働き方”を求めて小さなニット工房を創業する。ニュートラルな色合いが主流だったカシミヤに鮮やかな色彩を取り入れた革新的なアプローチで、”ブルネロ クチネリ”は世界有数のラグジュアリーブランドへと成長を遂げるが、彼が選んだのは事業のさらなる拡大ではなく、人間の尊厳と美を追求することだった。その思いを結実させたのが中世の村ソロメオの再生で、荒れ果てていた建物を丁寧に修復し、文化とクラフツマンシップ、自然、働く人々の営みが調和する村へと育て上げ、国際的にも大きな注目を集めた。家族、職人、経営陣、文化人、国際的著名人の証言や、アーカイブ映像、再現ドラマなどを重層的に組み合わせながら、ブルネロ・クチネリの歩みを単なる成功譚ではなく、“美と尊厳を守るために働く”という人間的理想の追求として浮かび上がらせていく。『ライフ・イズ・ビューティフル』のニコラ・ピオバーニが音楽を担当した。

 

©BRUNELLO CUCINELLI SPA AND MASI FILM 2025 Credit: Photo by Stefano Schirato

 

映画『ブルネロ 静かなる先見者』は、10月30日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマ、京都・烏丸の京都シネマ、兵庫・神戸のシネ・リーブル神戸で公開。

ここ数年パーパスという言葉を聞く機会が増え、自分の勤める会社でも掲げるようになった。社会における企業の存在意義を明確に打ち出し、”我々は必要なんです。価値があります。”と言い、信用してもらうことは大切なのだろう。ただ、働いていると「本当にそうか?」と思うことの連続で、どこか欺瞞に感じてしまう自分がいる。

 

自身の名を冠したイタリアのラグジュアリーブランドの創業者であるブルネロ・クチネリは自身の父親の扱われ方を目の当たりにし、「人間の尊厳ある働き方」を追求するために、小さなニット工房を立ち上げる。ラグジュアリーブランドとしての成功を手にした末に彼がした選択は、ブランドの拡大ではなく、「人間の尊重」と「美の祝福」。尊厳ある服作りと中世の村ソロメオの再生はこれからの社会が目指すべきモデルのひとつだ。

 

誰しもができることではないのは分かっている。社会には成功する者がいれば、失敗してしまう者も存在する。全体が成功するのは不可能。だが、成功の先で地域貢献や社員と社会の幸福追求を目指すことは必要不可欠だと感じる。みながブルネロのように考えることができれば、より良い社会が目指せるのかもしれない。

 

ブルネロは「正しく生きなさい」という至極まともなことを中心に物事を考える。現代の日本社会も”正しさ”がかなり重要視されているように思えるが、ブルネロの思う正しさとはだいぶ違う、閉塞感に息が詰まる正しさのように思う。ブルネロのような楽観的な正しさを日本社会が取り戻せるとは到底思えないが、小さい範囲でもいいから取り戻せるように生きていきたいものである。

 

スピードが重視される社会のなかで、見過ごされがちな価値観だが、今一度見直すためにゆっくりブルネロの人生を体験するのも良いのではなかろうか。

fromブライトマン

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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