夫と娘を“演じる”他者たちと関係を築いていく姿を描く『レンタル家族』がいよいよ劇場公開!
©KOHSAKA Pro
東京で働きながら、定期的に実家で認知症の母親のケアをしている女性が、紹介された“レンタル家族”というサービスを通して、幸せを見つめなおす姿を描く『レンタル家族』が7月31日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『レンタル家族』は、レンタル家族という一見風変わりなサービスを通じて、登場人物たちが”演じること”と”本音”のあいだで揺れ動きながら、やがて心を通わせていく姿を描く。孤独を抱える現代人と家族のかたちを問いかけるヒューマンドラマ。東京の会社に勤務する坂本洋子は、仕事で多忙な日々を送りつつ、定期的に実家へ帰省し、父の忠勝とともに認知症の母である千恵子のケアをしている。千恵子の症状は近頃進行が速く、洋子が数年前に離婚したことも忘れ、帰省のたびに元夫や娘のことを尋ねてくる。そんなある日、洋子は取引先の担当者から、”レンタル家族”というサービスを紹介され、体験利用を勧められる。最初は戸惑った洋子だっがたが、レンタル夫を家事代行として自宅に呼ぶことにする。派遣されたレンタル夫・松下豪と馬が合った洋子は、千恵子のことを松下に相談。すると松下は、自分を夫、知り合いの子役である安田朱里を娘として、家族を演じることを提案する。
本作の主演は、劇団「青年座」所属で舞台、映画、ドラマ、CMと幅広く活躍する荻野友里さん。監督はテレビ番組やCMの制作等を経て、自主映画として手がけた本作で初監督を務めた上坂龍之介さん。第23回中之島映画祭でグランプリを受賞した。

©KOHSAKA Pro
映画『レンタル家族』は、7月31日(金)より全国の劇場で公開。
注目の若手映画監督である上坂龍之介初監督作品。主人公の洋子は、仕事の関係で渋々レンタル家族サービスを利用することになる。最初は、部屋の掃除から始まり、次は認知症の母の誕生日会への同行、と回数を重ねるごとにレンタル家族と絆のようなものが出来ていく。母の千恵子にはレンタルだと気付かれないようにどうにか家族を演じる彼らを見ていると、普段私たちが人と関わる際に取る行動は大小あれど全て演技なのではないかと感じてくる。血が繋がっている、戸籍が同じなどの「一緒にいる理由」がある関係だとしても、結局は他者なのであって、それぞれが役割や肩書を持つことでどうにか関係を繋げているのかもしれない。
例え肉親でも、過去に深い関係を結んでいた相手でも、完璧に分かり合うことは難しいし人は皆自分本意。一生懸命生きている人であればあるほど、その跳ね返りは痛みを増す。そうなのであれば、「一緒にいる理由」が、「今居て欲しいから」でも良いのではないか。一生一緒にいようと契約するのではなく、必要なときに補い合う関係も家族と呼んでいいのでは、という提案を今作から感じた。個人的には、登場するレンタル夫の一人、楢原を「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」でキジブラザーを演じた鈴木浩文さんが好演している所がアゲポイントだ。
fromマスダ
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

















