集団行動における人間の心理を描くSFサイコエンタテインメント『NEW GROUP』がいよいよ劇場公開!
©2026「NEW GROUP」製作委員会
引っ込み思案な女子高校生と、海外帰りで日本の学校特有の集団行動になじめない転校生が、とある集団怪現象に立ち向かう様を描く『NEW GROUP』が6月12日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『NEW GROUP』は、組体操という集団行動における人間の行動心理の根底を、独特の世界観でコミカルかつシリアスに描き出す。家族に問題を抱える女子高校生の愛は、引っ込み思案で自分の意見をうまく主張できない。海外帰りの転校生である優は自分の意見をはっきりと口にするタイプで、日本の学校の協調性を重んじる集団行動になじめずにいた。愛は優のことが気になるが、優は自分を出そうとしない愛に苛立ちを覚えていた。そんなある日、校庭で1人の生徒が四つん這いになったまま動かなくなってしまう。さらにその生徒の横にも同じように四つん這いになる生徒が並びはじめ、巨大な人間ピラミッドが形成されていく。不思議なことに、学校も人間ピラミッドを“良いもの”として参加を勧め、積み重なった生徒たちは一様に穏やかな表情を浮かべている。生徒たちが次々と集まり、ものも言わず従っていくなか、愛もなぜか朦朧となり人間ピラミッドに加わりそうになる。事態はやがて、地域全体を巻き込む集団怪現象へと発展していく。
本作は、2024年の商業映画監督デビュー作『みなに幸あれ』で注目された下津優太監督の劇場公開第2作。『ゴールデンカムイ』シリーズの山田杏奈さんが主人公の愛、『秒速5センチメートル』の青木柚さんが転校生の優を演じ、集団を導く校長をピエール瀧さんが怪演。2025年の第29回ファンタジア国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。

©2026「NEW GROUP」製作委員会
映画『NEW GROUP』は、6月12日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のT・ジョイ梅田や心斎橋の kino cinema 心斎橋や難波のなんばパークスシネマ、京都・九条のT・ジョイ京都や烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開。
まだまだ未熟な部分の多い未成年を預かり、教育を行っていく中で、集団行動の重要性は理解できなくもない。集団行動を実践する側(生徒)は、やらされている感の中で適当に周りに合わせ、いつしか周りに迷惑をかけてはいけないということだけを意識し、足並みを揃える。教える側も余裕をもてない環境から、ただ強いてしまうこともしばしば。理由等を聞いてもそこまで納得いく回答は返ってこない。悪循環の中では、仕方がないだろう。どれだけ嫌でも、同調圧力を感じる状況で疑問に思うことは難しい。答えが出ないまま大人になり、ふとした瞬間に巻き込まれてしまっていることもある。
確かにルールや迷惑をかけない姿勢は大切だ。そのマインドが、ある程度日本を住みやすい国にしてくれている部分もあるにはある。でも、何も考えないまま同調圧力に怯え、集団を乱すことなく生きていることは本当に良いことなのか?1mmのはみ出しも許さない気持ちが醸成されやしないだろうか?もっと言えば、自分で考え自分で選択することができなくなっていくのではないか?校長先生が”良いこと”とする集団行動=組体操はそんなにすんなり受け入れていいのだろうか。それを信じているから選択したのならいいのだけど。
…とグダグダと憂いを帯びた文章をダラダラと書いてしまったが、この映画は、そういった問題や懸念を抱く気持ちを、最高にサイコでバカバカしい画でこれでもか!とぶっ飛ばしてくる。観終えてから改めて考えることは沢山あるし、だからこそグダグダと書きたくなってしまった。だが、映画を観ている82分間はそんなことはさておき、スクリーンの中にある異常状態を圧力に屈して浴びるしかないのだ。それほどの威力に満ち溢れた映画だった。
山田杏奈さんと青木柚さんはこの異常な状況を脚本で読んだ時、どのように思ったのだろうか。スクリーンを通して観る2人は、この脚本を読んだ瞬間の戸惑いのまま、そこにいるように見えた。キュートな雰囲気だが、目に意思を感じる2人だからこそ、あの異常な現状を乗り切れたのかもしれない。文脈も何も関係ないが、山田杏奈さんの「駄目じゃん」が個人的なツボだった。そして、ピエール瀧さんは、本当にこういう人がいるんじゃないか!?と思える程にハマっていて、笑いながらも恐怖を感じてしまう。恐怖と笑いの絶妙なバランスを踏み外さず、極端に見えながらも、やりすぎていない無駄のない演技に脱帽せざるを得ない。
組体操は、ある一定年齢以上の日本人には馴染みが深すぎる。自分自身、小学校の運動会では、選抜されて人間ピラミッドを作った。中学校では人間タワーを作った記憶も薄っすらある。当時、背は高くないがパワー系だったこともあり、1番下の土台だった。それ以外の場面でも、土台やら足場やらそういうことばっかり。どちらかといえば人を支えるタイプの人間だと思っているけど、これもピラミッドの土台を作ってきたことで、勝手に内面化してしまったのだろうか…
82分に凝縮された怪奇現象を、真っ暗で逃げ場のない劇場で圧倒されてほしい。
fromブライトマン
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

















