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原爆被害受けた朝鮮人や慰安婦にされた女性の声なき声を記録した『よみがえる声』がいよいよ劇場公開!

2025年7月29日

©『よみがえる声』上映委員会

 

朝鮮人原爆被爆者の実情に焦点を当て、徴用工、沖縄戦に従軍した軍人、慰安婦など、歴史に埋もれた声なき者たちの物語を描く『よみがえる声』が8月2日(土)より劇場で公開される。

 

映画『よみがえる声』は、2025年に90歳を迎える在日朝鮮人2世である映画作家の朴壽南(パク・スナム)さんが、娘の朴麻衣さんと共同監督し、歴史に埋もれた声なき者たちの物語を描き出したドキュメンタリー。1935年3月、三重県に生まれた在日朝鮮人2世の朴壽南は、1958年に起きた小松川事件の在日朝鮮人2世の少年死刑囚である李珍宇(イ・ジヌ)との往復書簡「罪と死と愛と」で注目を集め、その後も、植民地支配による強制連行や、広島と長崎で被爆した在日朝鮮人の声を掘り起こした証言集を出版。さらにペンをカメラに持ち替え、1986年に朝鮮人被爆者のドキュメンタリー映画『もうひとつのヒロシマ』で初監督を務めた。その後も『アリランのうた オキナワからの証言』『ぬちがふぅ(命果報) 玉砕場からの証言』『沈黙 立ち上がる慰安婦』といったドキュメンタリー作品を送り出してきた。

 

本作では、朴壽南さんがライフワークとしてきた朝鮮人原爆被爆者の実情と今日の課題に再び焦点を当て、約40年前から撮り続けていた16ミリフィルムを基に制作。広島や長崎で原爆被害を受けた朝鮮人のほか、長崎の軍艦島に連行された徴用工、沖縄戦の朝鮮人元軍属、そして日本軍の慰安婦にされた女性たちの声なき物語を描き出す。

 

 

©『よみがえる声』上映委員会

 

映画『よみがえる声』は、8月2日(土)より東京・東中野のポレポレ東中野や神奈川・横浜の横浜シネマリンで公開。また、全国の劇場で順次公開予定。

学校の社会科等で学んだことを思い返してみると、太平洋戦争前後における朝鮮人が被害を受けた事実をしっかりと学んできただろうか。現代における時代性もあるだろうが、どちらかと言えば、ニュースやドキュメンタリー作品において改めて知って学ぶことの方が多いようにさえ感じる。とはいえ、『はだしのゲン』を読んだことで、当時の日本の中にも朝鮮人が住んでいたことを知り、否応なしに原爆の被害を受けていたことを知った。近年において、改めて知った徴用工に関する問題。沖縄戦に従軍した軍人の方がいたこと。慰安婦という安易な言葉で片付けてはいけない問題。これらを一作の中でしっかりと詰め込んだ作品が日本の劇場で公開されることは十分に意義がある。現実には、これらの出来事を否定するような人々が存在することに憤りを感じずにはいられない。たとえ、記録が残っていなくとも、被害を受けた方には、拭えない現実が記憶されている。そんな声なき者たちの物語を現代にしっかりとよみがえらせたのが本作だ。現在は、東京と横浜だけだが、今後は全国の劇場で順次公開されていく予定なので、『よみがえる声』という作品名を憶えておいて、近くの劇場で公開予定であることが分かれば、是非とも注目してほしい限りである。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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