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周りの大切な人を見つめ直す機会を皆さんに届けられたら…『金子差入店』丸山隆平さんと古川豪監督を迎え舞台挨拶開催!

2025年5月1日

差入店を営む男性がある事件をきっかけに、差入を通して犯人に向き合い、己の過去と対峙する『金子差入店』が5月16日(金)より全国の劇場で公開される。5月1日(木)には、大阪・難波のTOHOシネマズなんばで特別試写会が開催され、丸山隆平さんと古川豪監督を迎え舞台挨拶が開催された。

 

映画『金子差入店』は、SUPRE EIGHTの丸山隆平さんが『泥棒役者』以来8年ぶりに映画主演を務め、刑務所や拘置所への差し入れを代行する”差入屋”を家族で営む一家が、ある事件をきっかけにその絆が揺らいでいく姿を描いたヒューマンサスペンス。金子真司は刑務所や拘置所に収容された人への差し入れを代行する”差入屋”を一家で営んでいる。ある日、息子の幼なじみの女の子が殺害されるという凄惨な事件が発生する。一家がショックを受ける中、犯人の母親が「差し入れをしたい」と店を訪れる。差入屋としての仕事をまっとうし、犯人と向き合いながらも、金子は疑問と怒りが日に日に募っていく。そんなある日、金子は一人の女子高生と出会う。彼女は毎日のように拘置所を訪れ、なぜか自分の母親を殺した男との面会を求めていた。この2つの事件と向き合う中で、金子の過去が周囲にあらわとなり、家族の絆を揺るがしていく。主人公の真司役を丸山さんが演じ、真木よう子さん、寺尾聰さんらが顔をそろえる。『東京リベンジャーズ』シリーズ等の助監督を務め、本作が長編初監督作となる古川豪さんが自らのオリジナル脚本でメガホンをとった。

 

今回、上映前に丸山隆平さんと古川豪監督が登壇。7000通の応募があり倍率45倍の中で当選した特別試写会に駆け付けたお客さんに作品の魅力を伝える舞台挨拶が繰り広げられた。

 

関西出身の2人が登壇となった今回の舞台挨拶。丸山さんは「いよいよ皆さんの元に届くんだなぁ」という実感が徐々に湧いてきており「とにかく沢山の人に観ていただきたい。今までにないぐらい単独取材と番組宣伝に出たので、今まで一番忙しいかもしれない」と話し、多忙を極めているようだ。また、古川監督は感無量に言葉にならない状態であることが伝わってくる。

 

脚本も手掛けられている古川監督は、差入店をテーマに選んだことについて「まず、犯罪を扱うならドラマになるのが約束されている。特殊職業を扱うことが、助監督人生の中で『おくりびと』の準備期間からひたすら今までの作品とは違う空気感の中で撮影も行われ、結果も伴い皆さんの評価もある、という成功体験があったので、特殊な職業を扱い自分が知ることが出来たならば、自分にチャンスが来るんじゃないかな。その二点からひたすら練り続け時間がかかりました」と話す。本作の話を初めて耳にした丸山さんは「まず差入屋といった職業があることを全く知らなかったので、そういった職業があるということの驚きと、その職業から家族や近所といった社会からのその職業に対しての見方や見え方が、どんどん世界が広がっていって、思わぬサスペンスやヒューマンドラマを巻き起こしていく台本だったので、最初に読んだ時はとにかく情報量が多いなぁ、と。監督が今の日本や社会に対して届けたい意志がガツンと来るような台本だったので、是非とも参加させていただけるのであれば…即行で”参加させてください”ということで今に至ります」と振り返る。演じた金子真司の役作りに関しては「脚本を書かれて自ら演出されるので、今回の物語は特に生々しい表現や人間としての心の機微が身近に感じられる作品なので、監督自身の中にもヒントがあるんじゃないのかな」と考察し「作品に入る前に監督と食事していく中で観察させてもらって、物理的な仕草だけじゃなく、監督のマインドや家族に対してどのように愛情を向けているのか…そういうところから抽出しながらヒントを貰いながら、それらを混ぜ込みながら役を構築しました。あとは、日常の中に金子真司を少しずつ浸食させていって、何をしていても金子真司になるように目指してやってみました」と説く。

 

 

 

丸山さんをキャスティングした理由について、古川監督は「何者でもない長編を撮ったことがない監督だったので、まず
丸山さん含め、事務所の皆様がやってもらえるとは思っていなかった。候補として念頭に置ける状況ではなかった。でも、一緒に作り上げているために準備をして脚本づくりをしていく中で、現在48歳の人間が長編デビューするにあたり”ミニシアターからのし上がろう、といった20代や30代といった若手が考えるようなことをするんじゃねぇ”とあるベテランプロデューサーから大御叱りを受けまして…その後に”どうせやるんだったら、ウチの隆平を使え”と自分の我が子のように…そこで大論争になったんです」と明かす。なお、その大論争が起こる前に呑み屋で偶然にも丸山さんに会う機会があり、経歴を伝えると「芝居を見てくださいよ」とせがまれ、近くにいる人を巻き込んで、30分間もエチュードを始めたそうだ。「本当にお芝居が好きなんだな」と実感。プロデューサーからの強力な推薦を受け「お声がけする機会が今後あるかどうか分からないし…20年も活動してきたモンスターチームにいらっしゃる人に声をかけることもなかなかできないかもしれない。是非!となったら、あっという間にOKが出たんです」と驚きながらも「OKを頂いた日の瞬間は忘れない」と感慨深げだ。8年ぶりの主演作となった丸山さんは「僕はこの作品に出会い…僕にも両親や友人がいるので、撮影が終わってから、親ともう一回向き合ってみようかな」と思い立ち、両親に会いに行っており「もう一回、中にあるわだかまりをこの作品を通して、”家族に向き合ってみよう”と思い、会いに行きました。すごく元気そうにしていました。僕の活躍を喜んで観てくれているみたいだったので、とても良い機会になった」と振り返る。そして、改めて「僕にとってはこの作品が家族の絆に大きく影響を与えてくれたので、これから観てくださる皆さんにはどのようにこの作品が御自身の生活に作用するのか楽しみですね」と話す。

 

注目ポイントとして、古川監督は「丸山さんが主演ではあるんですけども、奔放な男性が多いので、それに翻弄される様々な世代の女性達を凄く注力して脚本づくりをしたので、丸山さんだけでなく素晴らしい俳優陣が体当たりで演じていただいています」と挙げていく。これを受け、丸山さんも「子を持つ女性の2人が相まみえるシーンがあるんですが、僕は出ているんですけども、何もできない男の情けなさがあり、撮り終わった後に、監督が”やばいなぁ、やばいもん見たなぁ”と凄く嬉しそうに…あれは凄く印象に残るシーンだったので、女性の立場や感情を凄く細かく丁寧に描かれているので、共感していただく部分もあるのではないかな」と添えていった。子役の三浦綺羅さんについて、古川監督は、キラキラした目が印象深く、丸山さんも「(撫でたり可愛がったりするのを)我慢するのが大変でしたね」と漏らしながらも「そういうことは現場に良くない影響を可能性もあるので、彼は俳優としてプロなので、そういったことには一線を引いて我慢していました。ただ可愛いだけじゃない魅力があり、妙に大人びている。このまま素敵な俳優さんになっていただけたらな。今後の作品も観たいです」と楽しみにしている。

 

 

最後に、古川監督は「初長編です。拙いかもしれませんが、素晴らしいスタッフ達と共に誠心誠意作りました。是非、後世に残す、と大義名分を以って作ったんですが、今は、ただただ…どう思われてもいいので、皆さん、楽しんでください」と伝え、丸山さんは「今作では、古川監督をはじめ、周りのスタッフやキャストの方と一緒に目を背けてはいけない現実を見つめながら、それぞれの中に希望を見つけらるような作品が出来上がったんじゃないかな、と思いますので、是非ともこの作品を沢山の人に観ていただいて、そんなに悪くない時代なんじゃない?それぞれが優しさを少しずつ持てばいいんじゃない?と少しでも気づいていただけて、周りの大切な人を見つめ直す機会を皆さんに届けられたら」と思いを込め、舞台挨拶を締め括った。

 

映画『金子差入店』は、5月16日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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