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釜山国際映画祭プログラミング・ディレクターキム・ジソクを振り返るドキュメンタリー『ジソク:映画祭をつづける』が第18回大阪アジアン映画祭の特別注視部門で日本初上映!

2023年3月13日

釜山国際映画祭プログラミング・ディレクターとして映画祭を牽引してきたキム・ジソクを振り返るドキュメンタリー『ジソク:映画祭をつづける』が第18回大阪アジアン映画祭の特別注視部門で日本初上映された。

 

映画『ジソク:映画祭をつづける』…

韓国・釜山国際映画祭(BIFF)の創設メンバーであり、プログラミング・ディレクターとして映画祭を牽引してきたキム・ジソク。世界各国の注目すべき才能を数多く発掘・紹介し、多くの映画人から愛された人格者だった。2014年、BIFFはセウォル号沈没事故を題材にしたドキュメンタリー『ダイビング・ベル セウォル号の真実』の上映をめぐり、当時の政府から圧力をかけられながらも上映を強行。その結果、釜山市から報復措置のような訴訟を起こされ、長年のチームワークを誇る運営側にも亀裂が入った。政治的介入を受け入れてでも映画祭を存続するべきか、あるいはボイコットするべきか。苦しい立場で矢面に立ち続けたキム・ジソクの悲愴な晩年からも、本作は目を逸らさない。是枝裕和、アピチャッポン・ウィーラセタクン、モフセン・マフマルバフほか、キム・ジソクと親交のあった映画人たちの愛情あふれる言葉が映し出されていく。そしてBIFF創設メンバーの出会いと友情のドラマもしっかりと描かれている。

 

 

映画『ジソク:映画祭をつづける』は、3月16日(木)14:25よりシネ・リーブル梅田でも上映。

アジア映画界で新たな若き才能を発掘し紹介してきた釜山国際映画祭。大阪アジアン映画祭では釜山国際映画祭で取り上げられた作品がいくつも上映されてきた。プログラミング・ディレクターとして映画祭を牽引してきたキム・ジソクは、本当に若き才能を愛してきた生粋の映画人だということが伝わってきた。そんな彼を讃えるドキュメンタリーの一面もあるが、それだけではない。セウォル号沈没事故を題材にしたドキュメンタリー『ダイビング・ベル セウォル号の真実』を紹介しようとしたところ、政治的介入が起こり、映画祭の存続が危ぶまれてしまった出来事があった。映画祭に良き支援をするまでなら良いが、それ以上の介入が生じてしまうと、映画祭の自由が奪われてしまう。映画祭を守るために心身共にどれだけ疲労しただろうか、と察する次第だ。そんな状況下、映画祭を応援するアジア映画人のコメントには胸を熱くさせられた。映画祭を無事に開催していく仕組みを作ることを確立出来たら誰が主催しても同じものになる、ということではない。各々の役割に長けた人間が映画祭を成功させるために尽力していくことの意味が伝わってきた。改めて、映画祭のプログラミング・ディレクターを担った人物がどれだけ重要であるか理解できる作品である。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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