稀な障害を持つ映画監督が自らの生き方を模索する『わたしの物語』がいよいよ関西の劇場でも公開!
©Hot Property ITAOT Limited 2023
股関節が無く大腿骨が短いという稀な障がいを持ったイギリス人監督が、SNSを通して同じ障がい者を探し、さまざまな人々と交流していく中で新たな世界と自分を知り、生き方をもう一度発見していく6年間を記録した『わたしの物語』が7月20日(土)より関西の劇場でも公開される。
映画『わたしの物語』は、極めてまれな障がいを持つイギリスの女性監督エラ・グレンディニングが、自分らしい生き方を模索する4年間の旅路を記録したセルフポートレイト・ドキュメンタリー。股関節がなく大腿骨が短いという障がいのある20代のグレンディニング監督は、“障がい”を意識せず伸び伸びと育てられたが、自分だけ異質であるという感覚がぬぐえずにいた。そこでグレンディニング監督は、障がい者差別が根強く残る社会で自分を肯定するには何が必要なのかを知るため、同じ障がいのある人をSNSで探すことに。そして出会った仲間たちとの交流や、撮影期間中の予期せぬ妊娠・出産と子育て、自閉症である親友ナオミとの語らい、さらにグレンディニング監督をひとりで育てたシングルマザーの母への問いかけなどを通して、彼女は新しい世界と自分を知っていく。
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映画『わたしの物語』は、関西では、7月20日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場、7月27日(土)より神戸・元町の元町映画館、8月9日(金)より京都・烏丸御池のアップリンク京都で公開。
本作を観ていると、この世界の中には自分と同じような人が少なくとも1人は存在し、その人と何らかのかたちで繋がってみたい…でも、本当はいないのかもしれない…自分は自分だけなんだ…といった心境になっていた。それは、「みんなちがって、みんないい」という、気づけばよく使われている言葉以上に大切な考え方なのかもしれない。今作で、監督・出演を務めたエラ・グレンディニングは、極めてまれな障がいを持ちながらも、家族から大切に育てられてきた。それは、とても心地の良い小さな世界ではあるが、成長すると共に外に目を向ければ無限の可能性があり、いくらでも出会いがあることに気づかされる。自身の障がいについて緩和させる可能性についても考えさせられた。4年間に渡る日々の記録を作品として纏め上げることで、どれだけの変化があり伸びしろがあることに監督自身が気づいたこともあったのではないだろうか。自分らしい生き方を模索することをとことん追求し続けたセルフドキュメンタリーとして観る者にエールを送る一作として仕上がっていた。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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