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1人の女性が“自らの性に対する矛盾した感情”や男女間に存在する“性の格差”に向き合う『先生の白い嘘』がいよいよ劇場公開!

2024年7月2日

©2024「先生の白い嘘」製作委員会 ©鳥飼茜/講談社

 

教壇に立つことで男女不平等への溜飲を下げている高校教師と、彼女をめぐる歪んだ人間関係を描く『先生の白い嘘』が7月5日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『先生の白い嘘』は、自らの性に対して抱える矛盾した感情や、男女間に存在する性の格差に向き合う女性の姿を通して、人の根底にある醜さと美しさを描き出す。高校教師の原美鈴は、女であることの不平等さを感じながらも、そのことから目を背けて生きている。そんなある日、親友の渕野美奈子から、早藤雅巳と婚約したことを告げられるが、早藤こそ美鈴に女であることの不平等さの意識を植え付けた張本人だった。早藤を忌み嫌いながらも、彼との行為を通して性への欲望や快楽への渇望が芽生え、呼び出しに応じてしまう美鈴。そんなある日、担当クラスの男子生徒・新妻祐希から性の悩みを打ち明けられた彼女は、思わず本音を漏らしてしまう。新妻は自分に対して本音をさらけ出してくれた美鈴にひかれていくが…

 

本作では、男女間の性の格差を描いて反響を呼んだ鳥飼茜さんの漫画を実写映画化。主人公の美鈴を奈緒さんが演じ、物語の鍵を握る男子生徒の新妻役を人気グループHiHi Jetsの猪狩蒼弥さん、親友の美奈子役を三吉彩花さん、美奈子の婚約者で表向きは人当たりの良いエリートサラリーマンだが、裏では女を見下し暴力をふるう早藤役を風間俊介さんが担当した。監督は『弱虫ペダル』『植物図鑑 運命の恋拾いました』の三木康一郎さん、脚本は「きのう何食べた?」「おかえりモネ」などのテレビドラマで高い評価を受ける安達奈緒子さんが担当した。

 

©2024「先生の白い嘘」製作委員会 ©鳥飼茜/講談社

 

映画『先生の白い嘘』は、7月5日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のkino cinema神戸国際等で公開。

大阪出身の漫画家である鳥飼茜さんの作品は、当初は関西弁で気だるくもゆるさもある家族の物語を描く「おはようおかえり」「おんなのいえ」といった作品が続くと思っていたら、「先生の白い嘘」で一気に牙を剥き出したので、様々な意味を含めて印象に残る作品である。そんな作品について映画化のニュースリリースを知り、どんな作品に仕上げるのか、と気になっていた。連載当時からセンセーショナルな性の描写に関しては物議を醸していたこともあり、実写化は難しいと云われていたこともある。だが、何年も粘り続けた三木康一郎監督の並々ならぬ熱意には感服する次第だ。単行本としては全8巻からなる作品を2時間近くの尺で成立する物語として収めきっていた。メインとなる物語は、現代社会において女であることの不平等さや生きづらさを感じながらも淡々と生きてきた高校教師である主人公の原美鈴を中心にして描いていく。だが友人の婚約者である早藤雅巳から酷いことをされ、精神を牛耳られ必死に抵抗する姿を見せられると、不条理しか感じられず、早藤には憤りしか感じられない。よくぞ、こんな役を風間俊介さんを演じ切ったな、と畏れ入る。だが、世の中には酷い男性だけが存在するのではない。美鈴が担任をするクラスの中には、女性に対する恐怖心があり、それに抗おうと必死に日々を過ごす男子高校生も欠かさずに描いているのがせめてもの救いだ。だが、早藤は全てをぶち壊そうとしていく。男女間における不条理をとことん描き切った後にこのような結末にしていくとは…まさに渾身の一作をしっかりと見届けてほしい。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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