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ドキュメンタリーと劇映画がリンクしている…!『ナイトクルージング』加藤秀幸さんと佐々木誠監督を迎えトークショー開催!

2019年4月13日

全盲者による映画制作を追ったドキュメンタリー『ナイトクルージング』が4月13日(土)より、関西の劇場でも公開。初日には、大阪・十三の第七藝術劇場に加藤秀幸さんと佐々木誠監督を迎え、トークショーが開催された。

 

映画『ナイトクルージング』は、全盲のミュージシャン・加藤秀幸さんが映画制作に挑む姿を追った『』の佐々木誠監督が、同作から引き続き加藤さんの映画制作過程に迫ったドキュメンタリー。生まれつき視覚がなく、光を感じたことのない加藤が、ある日、映画を作ることを決意。加藤さんはSF短編映画「ゴーストヴィジョン」を制作するさまざまな過程を通して、顔や色の実体、2Dで表現することなど、視覚から見た世界を知っていく。同時に、映画制作に携わるスタッフたちも、加藤を通して視覚のない世界に触れる。そんな見えない加藤と見えるスタッフたちが、互いのイメージを共有しながら映画が作られていく過程を追った。

 

上映後、加藤秀幸さんと佐々木誠監督が登壇。2人が互いに突き詰めた映画製作を語らうトークショーとなった。

 

佐々木監督は、7年前にとある視覚障碍者団体から「おもしろい視覚障碍者の映画を作ってください」と依頼を受け、その団体のメンバーである加藤さんと出会った。加藤さんと昔のTV番組や映画の話で盛り上がり「加藤さんが映画を作ったらおもしろいんじゃないか」と思い、『INNERVISION インナーヴィジョン』を7年前に撮り6年前に公開。『INNERVISION インナーヴィジョン』は、映画を作る冒頭で終わっており、本作は、その続編として制作された。

 

加藤さんが監督した映画には、有名な声優や一流スタッフを起用しているが、加藤さんは「私の希望通り。贅沢三昧です」と告白。加藤さんの声優ファン仲間からは「2、3度死んできてくれ」と言われていた。とはいえ、スタッフの半分は佐々木監督の仕事仲間。佐々木監督は「予算もあるが、予算以上の仕事をしてくれた。皆さんがおもしろいことをしたい気持ちが大きかったのかな。映像の仕事は、文化祭の延長線上にある仕事だ」と感謝している。全盲の加藤さんは、当初は上手く出来るか不安だった。だが、第一印象から安心できており「誰一人として、出来ないとは言わなかった。コミュニケーションをとりながら、安心して出来る自信につながり、楽しくやらせて頂きました」と満足している。

 

制作にあたり、それぞれのチームがどのように加藤さんのイマジネーションを表現しようかと努力しており、フレームを作ったりモーションキャプチャーで彼のアクションを取り込んだりしていった。佐々木監督は「結局、見えるかどうかは関係ない」と受けとめている。さらには「見えている人間も発見があった」と話す。制作していく中で「監督が見えなかったらスタッフはどう動くか。プロのスタッフとして、様々な監督とプロジェクトに取り組んできた人達なので、プロとしてどうするか淡々と取り組んでいた」と興味深くみていた。加藤さんは「お互いのイメージが一致すれば進捗は早い。一番悩んだが、デフォルメし平面化されたものに置き換えていくことが難しい。それが分からないことを分かって頂くまでが時間がかかった」と、互いのコミュニケーションで一番苦労したことを解説する。

 

本作では、謎を微妙に残すように終わらせており、加藤さんは「『単純に完結させると印象に残らない』と佐々木監督からアドバイスを受けた。皆で考えてみて下さい、という終わり方をしています」と表現していく。さらに「私とそれぞれに手伝って頂いた方とのバディムービーです」と伝えた。佐々木監督は「ドキュメンタリーと劇映画はリンクしている」と考えており「劇映画に潜む謎のヒントがドキュメンタリーにある。また、ドキュメンタリーでの加藤さんの発言の意図は劇映画にヒントが隠されており、相互関係で成立している作品」と解説する。「膨大な素材からドキュメンタリーが出来上がっており、劇映画の制作部と演出助手と編集を手掛け、過去一番大変だった。編集では、どのように相互関係を構成していくかを念頭に置いて編集しました」と明かし、本作が無事に公開されたことを喜んでいた。

 

映画『ナイトクルージング』は、大阪・十三の第七藝術劇場で公開中。また、5月11日(土)より、神戸・新開地の神戸アートビレッジセンター、6月1日(土)より、京都・出町柳の出町座でも公開予定。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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