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元作家の女性が働き始めた重度障碍者施設で社会にある不都合な問題を詳らかにしていく『月』がいよいよ劇場公開!

2023年10月11日

©2023『月』製作委員会

 

山奥の障碍者施設で働く元作家の女性が、入所者と関わっていく中で、職員が暴力を振るっているという現実に直面する『』が10月13日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『』…

夫と2人で慎ましく暮らす元有名作家の堂島洋子は、森の奥深くにある重度障碍者施設で働きはじめる。そこで彼女は、作家志望の陽子や絵の好きな青年さとくんといった同僚たち、そして光の届かない部屋でベッドに横たわったまま動かない、きーちゃんと呼ばれる入所者と出会う。洋子は自分と生年月日が一緒のきーちゃんのことをどこか他人だと思えず親身に接するようになるが、その一方で他の職員による入所者へのひどい扱いや暴力を目の当たりにする。そんな理不尽な状況に憤るさとくんは、正義感や使命感を徐々に増幅させていき…

 

本作は、『舟を編む』の石井裕也監督が宮沢りえさんを主演に迎え、実際に起きた障碍者殺傷事件をモチーフにした辺見庸さんの小説を映画化。洋子の夫である昌平をオダギリジョーさん、同僚のさとくんを磯村勇斗さん、陽子を二階堂ふみさんが演じる。

 

©2023『月』製作委員会

 

映画『』は、10月13日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の T・ジョイ梅田や九条のシネ・ヌーヴォ、京都・九条のT・ジョイ京都や烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のkino cinéma神戸国際等で公開。

2016年の相模原障碍者施設殺傷事件に着想した辺見庸さんの小説『月』が映画化されるとニュースリリースで知った際には、本当に映画化していいのか、と作品に対して疑問を持ってしまった。小説では、重度の障碍者であるきーちゃんの一人称で語られていくと共に、きーちゃんの分身として健常者の視点でも書かれていく。そして、事件を起こすさとくんの視点も描かれていく。映画では、重度障碍者施設で働き始める元有名作家の堂島洋子が主人公となり、施設の異常さを目の当たりにしていく姿を描いている。同時に、ストップモーションアニメーション作家の夫が主人公を支えていく愛の物語としても描かれていた。物語は堂島洋子が施設で働き職員や入所者と接しながら感じ気づいたことを以て執筆に向かっていく姿を描いていくと当時に、施設や社会に対する屈折した感情が狂気へと変化していくさとくんの姿を描いていく。両者のベクトルは異なる方向へ向かっていくことになるが、その間には、きーちゃんが2人を繋いでいるようにも感じられる。本作を手掛けた石井裕也監督は小説の文庫版であとがきを書いており、傑作と評し自ら脚本も執筆し『茜色に焼かれる』に続く社会派作品として仕上げていた。様々な感情を抱かせ、最終的にどのように気持ちを落ち着かせればよいのか困惑しながらも”こころ”に訴えかけられた作品である。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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