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これ僕じゃないと撮らないんじゃないか、と使命感を抱いた…『ストレージマン』連下浩隆さんと瀬戸かほさんと萬野達郎監督を迎え舞台挨拶開催!

2023年6月24日

コロナ禍で仕事も家族も失い、アルバイト生活で日々をしのぐ男性が、トランクルームで暮らすほど追い詰められていく『ストレージマン』が6月24日(土)より大阪・十三のシアターセブンでも公開中。初日には、連下浩隆さんと瀬戸かほさんと萬野達郎監督を迎え舞台挨拶が開催された。

 

映画『ストレージマン』は、新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり生活の中で、人々とのつながりが崩壊していく不安を描いたドラマ。自動車工場に勤務していた森下はコロナショックの煽りで派遣切りにあい、職を失ってしまう。社宅を追い出され、再就職先も見つからないうえに、妻である晶子の両親から離婚を切り出された彼は、娘の養育費を貯めるためにアルバイトに奮闘し、その過程で妻と瓜二つの女性である由美子と出会う。住む場所も失い、心身ともに追い詰められていた森下は、トランクルームの小さな一室で最低限の生活をスタートさせる。
主人公の森下役を本作でプロデューサーとしても参加した連下浩隆さんが演じ、瀬戸かほさんが妻の晶子、妻と瓜二つの女性である由美子を1人2役で演じるほか、渡部直也さん、矢崎広さん、しじみさん、渡辺裕之さんが脇を固める。監督は、優生保護法に基づく強制不妊を描いた短編「Motherhood」で注目された萬野達郎さんが務めた。第14回福岡インディペンデント映画祭でグランプリ、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022の短編部門で観客賞を受賞。

 

同時上映の『Motherhood』は、終戦直後から1996年まで続いた優生保護法にもとづき、障害のある人たちを対象に 行われた強制不妊とタイムスリップというSF要素を掛けあわせた短編。2018年、妊娠6ヶ月の坂口美彩は1994年にタイムスリップしてしまう。精神病院に 強制入院させられた美彩は、未来からやってきたと主張するが、誰にも信じてもらえ ない。そんな中、美彩は「精神病患者は強制的に不妊手術を受けさせられる」と聞かされ…。

 

上映後、連下浩隆さんと瀬戸かほさんと萬野達郎監督が登壇。大阪出身の萬野監督にとっては感慨深い舞台挨拶となった。

 

『Motherhood』について、萬野監督は優生保護法についてニュースで知り「これを映画で撮るのは僕以外にいないんじゃないか」と使命感を抱き制作した。連下さんは『Motherhood』を鑑賞し、胸をえぐられるような思いを抱きながら、萬野監督にコミュニケーションを図った経緯がある。瀬戸さんも鑑賞し「この監督は何故こんなにも絶望が好きなんだろう。だけど、救いようがないから作品が良いんだな」と感じていた。

 

社会問題を題材にした作品を手掛けている萬野監督。「これ僕じゃないと撮らないんじゃないか」と使命感を抱きながら、アメリカで映画制作について学んだ経験を活かし、自身が出来る題材を選んでいる。また、作中では関西弁を話すトランクルームで暮らしの先輩が登場しており、コメディ要素も取り入れた。

 

森下と由美子はコインランドリーで出会っており、連下さんは「実際にランドリーマシンを回していたので、かなりうるさくてお互いの台詞が聞こえづらかった。なので、ガッツリとアフレコを入れたのは初めてで、苦労したなぁ」と撮影時を回想。瀬戸さんはコインランドリーでのキスシーンについて「恥じないで、如何に大胆に自然に息をするか、を考えていました」と振り返る。なお、テイクを重ねており、連下さんは「突然される、という設定なので、待ち構えていないようにしないといけない」と苦笑い。なお、営業中のコインランドリーで撮影しており、一般のお客さんに待機してもらうこともあったようだ。また、撮影を行ったトランクルームに本当に住んでいる方がおり、萬野監督は「気を遣ってもらい、22時までは別の場所にいてもらった。ある日、収録時間が押して22時を過ぎてしまった時、ラストショット前にカメラを気にせず部屋に入られていった…」と話す。

 

森下はトランクルームで過ごしながら精神的に追い詰められていくが、連下さんは「心身ともに追い詰められていく男を真摯に演じたかった。出来るだけ自分自身も精神的にも肉体的にも疲れていたい。ご飯をたべなかったり、撮影の合間に周囲を走り回ってみたり、と外側からアプローチしてみた。現場は、人間の尊厳が失われるような屈辱を受けて堕ちていくところだった。どうやって向き合うか、心の作り方が一番難しかった」と振り返っていく。また、一発撮りのシーンもあり「自分の中で気持ちを作りつつ、動きを当てていくことについて緊張感がありました」と語る。

 

なお、2022年5月3日にお亡くなりになった渡辺裕之さんに対し、萬野監督は「最後まで映画をおもしろくするために、演技が正解なのか直前まで考えられる方。ご一緒させてもらい凄く良かった」と感じており「最後まで、作品を良くしたい、ということを学ばせて頂きました」と感謝していた。連下さんは撮影の合間によく話しており、ストレッチや筋トレについて教わったことを喜んでいる。瀬戸さんは「緊張と緩和がある方。現場が引き締まる役割をして下さった。役者として教わったこともあり、お世話になりました」と感慨深げだ。

 

最後に、出演作の舞台挨拶が続いていた瀬戸さんは「映画は様々な人をつなげてくれる出会いの場になるんだな」と感動の思いを伝えていく。連下さんは「萬野さんと偶々出会い、御縁を頂いたので、様々なものに助けられている。この映画を観て何かを感じ取って下さったら」と思いを込めメッセージ。萬野監督は「映画で社会が少しでも良くなったらいいな、と作らせて頂いた。映画の無力さを感じることもありながら、皆さんに観て頂いて感想を頂けたら励みになり、また作っていきたい」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『ストレージマン』は、関西では、6月24日(土)より大阪・十三のシアターセブンで公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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