同じ名を持つ青年と少年の日々が交錯していく『郊外の鳥たち』がいよいよ関西の劇場でも公開！

2023年4月24日

©BEIJING TRANSCEND PICTURES ENTERTAINMENT CO., LTD. , QUASAR FILMS, CFORCE PICTURES, BEIJING YOSHOW FILMS CO., LTD. , THREE MONKEYS FILMS. SHANGHAI, BEIJING CHASE PICTURES CO., LTD. ,KIFRAME STUDIO, FLASH FORWARD ENTERTAINMENT / ReallyLikeFilms

地方都市の地質調査に訪れた青年と、彼が廃校で見つけた同じ名前の少年の日記が語る物語が交錯していく様を描く『郊外の鳥たち』が４月２８日（金）より関西の劇場でも公開される。

映画『郊外の鳥たち』…

地盤沈下が進んだため「鬼城」（ゴーストタウン）と化してしまった地方都市。地質調査にやって来た測量技師の青年ハオは、廃校になった小学校の机の中から、自分と同じ名前の男の子の日記を発見する。そこには、開発が進む都市で日常を謳歌する子どもたちの姿がつづられていた。やがてその子どもたちは、１人また１人と姿を消していく。

本作は、中国の気鋭監督チウ・ションの長編デビュー作。パラレルに進行する２つの物語の時制のズレを、同じ地平線を歩いているかのような感覚で描き出す。映画監督アン・リーの実子で『目撃者闇の中の瞳』等で知られる俳優メイソン・リー、『台北セブンラブ』のホアン・ルーが出演。子役には演技経験のない素人俳優たちを起用した。

映画『郊外の鳥たち』は、関西では、４月２８日（金）より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や京都・烏丸の京都シネマや神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

地質調査にやって来た測量技師らのグループを追いかける物語と、行方不明になった友人を探す子ども達を追いかける物語がクロスオーバーしていく本作。明らかに時代の異なる２つの物語を描いているはずなのだが、不思議と共通点があり、ひょっとしたら少しだけ時制がずれているだけの２つの物語を映し出しているかものしれない、と感じられた。でも、肝心のところは、あえて曖昧に描いているようにも思えて、なんとも不思議な物語だ。ただ、或る種の都会化を進めようとしている中国の地方都市の中に残されている自然を追いかけるように、カメラは動いており、惹き込まれる映像の世界が映し出されていく。『凱里ブルース』のビー・ガンを筆頭に、『象は静かに座っている』のフー・ボー、『春江水暖』のグー・シャオガンらの中国第８世代の監督の１人として、本作が初長編であるチウ・ション監督の手腕には恐れ入る。今後も新しい映画の手法をどれだけ見せてくれるのか、期待は高まるばかりだ。

Related Tags: