選挙とは何か、民主主義とは何か、ジャーナリズムとは何かを問うドキュメンタリー『劇場版 センキョナンデス』がいよいよ関西の劇場でも公開!
(C)「劇場版 センキョナンデス」製作委員会
海外メディアに明るいラッパーのDARTHREIDERさんと、時事芸人のプチ鹿島さんが監督・出演を務めるドキュメンタリー『劇場版 センキョナンデス』が3月3日(金)より関西の劇場でも公開される。
『劇場版 センキョナンデス』は、YouTube番組「ヒルカラナンデス(仮)」を配信するラッパーのDARTHREIDERさんと時事芸人のプチ鹿島さんが、スピンオフとして立ち上げた選挙取材企画を基に映画として完成させた長編ドキュメンタリー。ロンドン育ちで海外メディアの情報に精通するDARTHREIDERさんと、新聞14紙を毎日読み比べするというプチ鹿島さん。2021年の衆院選では香川、2022年の参院選では大阪と京都を訪れて合計十数人の候補者に突撃取材を敢行し、忖度なしのインタビューで思わぬ本音を引き出していく。そんな中、大阪での取材中に安倍晋三元首相銃撃事件が発生し、取材の旅は予想外の方向へと展開する。『なぜ君は総理大臣になれないのか』のドキュメンタリー監督である大島新さんがプロデュースを手がけた。
(C)「劇場版 センキョナンデス」製作委員会
『劇場版 センキョナンデス』は、関西では、3月3日(金)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋や京都・烏丸の京都シネマや神戸・三宮のkino cinema 神戸国際で、3月19日(日)より大阪・十三の第七藝術劇場で公開。
2021年の衆院選を舞台にした『香川1区』の裏側で、DARTHREIDERさんとプチ鹿島さんが積極的に動いていたことはなんとなく存じていた。YouTube番組「ヒルカラナンデス(仮)」をチェックしていたわけではないが、おもしろいことをやっていそうだな、という認識だ。新聞各紙を手にしながら、あくまでニュートラルな立場で各候補に会いに行き、話しかけ一緒に写真まで撮っていく。アクティブな有権者の姿である。作品の立場上、監督という位置づけではあるが、こんなにおもしろいドキュメンタリー映画監督がカメラの前に立つ作品は滅多に無いのではないか。
だが、目の前に大きく存在しているのが、地方ならではのメディアの存在だ。選挙運動が行われている中で、中立の立場であるはずのメディアがこれだけの偏向報道を行っていると、憤りを超えて何も言えず、失笑しか出来なかった。そんなメディアに対して真正面から切り込んでいき、相手の依頼を聞き入れ対応しても、暖簾に腕押しな回答しかない。各地方においても同様のことがありそうだが、まじまじと見せつけられてしまった。
そして、2022年の参院選。に安倍晋三元首相銃撃事件が発生した中で、各候補や政党に直撃した映像をこんな短期間で映画に取り入れた作品は初めてだろうか。関西ならではの地域間での支持率の違いをしっかりとカメラに収めてもらっている。劇場公開時、舞台挨拶で来阪された際、観客の反応がどうなっているか、改めて見てもらった上で、この2人のコメントを聞いてみたい。
選挙は、”まつりごと”の一つであり、有権者にとっては、最高の祭りごとであったはずが…どこかおかしなことになっている。地方の動きを捉えた本作を通して、選挙について考えてみたい、実におもしろい一作だ。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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