第2次世界大戦終結後、60万人を超える日本人が拘留されたシベリアの強制収容所を舞台にした物語『ラーゲリより愛を込めて』がいよいよ劇場公開!
(C)2022 映画「ラーゲリより愛を込めて」製作委員会 (C)1989清水香子
第2次世界大戦後、シベリアの強制収容所に送られた日本人捕虜たちが絶望する中で、帰国の希望を持ち仲間を励まし続けた山本幡男の半生を描く『ラーゲリより愛を込めて』が12月9日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ラーゲリより愛を込めて』は、シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留された実在の日本人捕虜である山本幡男さんの伝記ドラマ。第2次世界大戦後の1945年。シベリアの強制収容所に抑留された日本人捕虜たちは、零下40度にもなる過酷な環境の中、わずかな食糧のみを与えられて重い労働を強いられ、命を落とす者が続出していた。そんな中、山本幡男は日本にいる妻や子どもたちのもとへ必ず帰れると信じ、周囲の人々を励まし続ける。山本の仲間思いの行動と力強い信念は、多くの捕虜たちの心に希望の火を灯していく。
本作では、二宮和也さんが主演を務め、作家の辺見じゅんさんによるノンフィクション小説「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」を基に、『護られなかった者たちへ』『糸』の瀬々敬久監督がメガホンをとった。山本の妻であるモジミ役に北川景子さん、山本とともにラーゲリで捕虜として過ごす仲間たちに松坂桃李さん、中島健人さん、桐谷健太さん、安田顕さんと豪華キャストが集結している。
(C)2022 映画「ラーゲリより愛を込めて」製作委員会 (C)1989清水香子
映画『ラーゲリより愛を込めて』は、12月9日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や大阪ステーションシティシネマ、難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。
名役者達が揃い踏みの本作、世間から注目されているのは『硫黄島からの手紙』を彷彿とさせる、二宮和也さん×戦争映画という組み合わせだろうか。制作陣は、重厚な人間ドラマを作ることに長けている瀬々敬久監督と林民夫さんのタッグということもあり、心に重くのしかかってくる物語を味わえる。
第二次世界大戦後のシベリアの強制収容所に抑留された日本人捕虜たちは、過酷な環境の中で労働を強いられ、絶望の淵に何度も立たされていく。最悪な状況の中でも希望を捨てない山本幡生の行動が一際輝きを見せているのだが、最初は眩しさ故に日本兵からも疎外されており、大小はあれど、現代社会の人間関係と重なる部分を感じてしまった。繰り返す絶望の中、山本の光が少しずつ仲間達に伝染していく様子は、誰しもが行動することの意義や勇気を教えてもらえることになるだろう。
時代や環境が変わっても、本作の持つテーマは色褪せることがなく、未来永劫語り継がれなければならないことを実感した。山本の仲間達が紡いだ奇跡のメッセージは、今現在の私たちに伝わるに至るまで、脈々と時代を越え、人から人へと受け継がれていったのだと思うと感動が止まらない。
fromねむひら
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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