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本当の出来事が持つ強さを感じていた…!『お嬢ちゃん』二ノ宮隆太郎監督に聞く!

2019年10月25日

不満や不安、ストレスを抱えながら鎌倉でアルバイト生活を送る21歳の女性の本音とひとつの生き方を鮮やかに描き出す『お嬢ちゃん』が関西の劇場でも10月26日(土)より公開される。今回、二ノ宮隆太郎監督にインタビューを行った。

 

映画『お嬢ちゃん』は、俳優として活動するかたわら映画監督として作品を手がけ、劇場デビュー作『』が第70回ロカルノ国際映画祭のコンペティション部門に出品される等、国内外で注目される新鋭・二ノ宮隆太郎が、夏の鎌倉を舞台に、ひとりの若い女性の生き方を描いた。鎌倉に暮らす21歳の女性みのりは、観光客が立ち寄る小さな甘味処でアルバイトをしながら生活していた。一見普通の女性に見えるみのりだが、実は彼女は普通ではなく…

 

これまでの監督作品では、自ら出演してきた二ノ宮監督だが、今作では一切出演せず、監督業に専念している。監督自身は、前作まで「中途半端になっているんじゃ…」と気にしていたことを告白。「両方やることで保っている部分もあったのかな」と監督に専念して気づき「どちらが良いか分からないが、新しい挑戦をしたかった」と語る。今作では、役者の演技を細かく見ており「意図が違っていたり変だったら指摘している。嘘くさい演技に気づいたら伝えていく」と話す。脚本を書いた段階から頭の中で映像として想像しており「想像を下回ることは絶対にしない。下回ったら口に出していく」と語る。だが、あくまでも役者の手法を尊重していた。

 

主演の萩原みのりさんには監督自らオファーしている。他の女優にはない魅力を直感的に感じ、主人公に萩原さん以外は考えられなかった。主人公が吐き出す言葉には、監督の考えや創作が織り込まれているが「彼女の人生で本当にあった出来事も含まれているので、様々な考えや思いが入っている」と説く。例えば「『寂しそうな顔をしている人が好き』という台詞は、萩原さんが数年前に行っていた言葉」と述べ「新体操を辞めた理由も萩原さんの経験に基づいている」と明かした。萩原さんに対して、無駄に動かず余計なことをしないで演技をすることを伝えており「基本的に、脚本に書いたことを萩原さんが汲み取ってくれて演じて下さった」と感謝している。だが「動かないと決めつけて縛りつけることは嫌なので、自由に演じて頂きたい」と考えており、リハーサル前に声をかけ、意図を汲み取ってもらった。

 

前作『枝葉のこと』では、監督自身の人生で起こったことにフィクションを織り交ぜており「本当の出来事が持つ強さを感じていた」と振り返る。今作では、前作からは減少したが、本当の出来事を脚本に入れている。家族の設定に関しても「主人公のバックグラウンドに何が起き、現在の性格やしぐさ、感情になるのか」と説明するバランスを考えながら、主人公の家族を考えていった。

 

なお、本作は「ENBUゼミナール」のワークショッププロジェクトの第8弾で制作された2作品のうちの1作。主人公以外は、オーディションで選ばれており「プロフィールは関係なく、お話した際の雰囲気に注目しました」と選考基準を述べる。様々な登場人物がいるが「分かりやすい伏線回収のストーリーにはしていない。人生で運命的な出来事は滅多に起きない。現実に近づけた映画にしています」と解説した。

 

これまで、寡黙で朴訥な主人公をよく描いてきたが、今回は、『枝葉のこと』の女性版という意見も受け、二ノ宮監督は素直に喜んでいる。だが「次は様々なことに挑戦していかないと…」と冷静に話す。現在発表されている次回作『逃げきれた夢』は、認知症を発症した定時制高校の教頭先生である男性が家族や友人との関係を見つめなおす物語。『枝葉のこと』は27歳の男性の話だったが、今作は21歳の女性の話である。次は、還暦前の男性の話となるが「生きてきた年数も違うので、同じ風にはならない」と穏やかながらも、その眼差しは熱い感情が漲っていた。

 

映画『お嬢ちゃん』は、10月26日(土)より、大阪・十三の第七藝術劇場で公開。初日には、萩原みのりさんと二ノ宮隆太郎監督を迎え舞台挨拶を開催する。また、京都・出町柳の出町座、神戸・元町の元町映画館でも公開予定。

二ノ宮監督はこの作品を完全な「映画」にしたくなかったのかもしれない。エンドロールが流れるまで、私は海にいた。

 

波のように揺らめく視界。死んでも死んだことに気づかないんじゃないかってくらい平和な日常。そこらかしこのくだらねえ会話。そんなくだらねえ会話にいちいち苛立つくだらねえ自分。目の前で傷つく友人のために怒ればいいのか黙って見過ごせば良いのか冗談をいえば良いのか分からなくなる。

 

大人なると流石に殴ることは間違ってるって分かっていた。でも、ヘラヘラと笑うことだけはしたくない。周囲で投げられた会話に毎回戸惑って、精一杯考える。みのりも自分なりの正解を考えた上で実行しているつもりだ。しかし厄介なことに、正論を口にすることは必ずしも正しいとは限らない。

 

何重にもオブラートに包んだ優しい優しい言葉を投げ、相手に意図を汲み取ってもらう努力をしないといけない。なぜ学校は分数の割り算も英単語の発音もプチトマトの育て方すらも馬鹿丁寧に教えてくれたのに、こんな大事なことを教えてくれなかったのか…

fromナカオカ

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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