サイレント映画の“無垢なる発明家”チャーリー・バワーズ監督作品、日本初の特集上映『NOBODY KNOWS チャーリー・バワーズ -発明中毒篇-』がいよいよ関西の劇場でも公開!
“無垢なる発明家”と呼ばれたチャーリー・バワーズ監督のサイレント映画4本と短編アニメ2本を上映する『NOBODY KNOWS チャーリー・バワーズ -発明中毒篇-』が10月8日(土)より関西の劇場でも公開される。
『NOBODY KNOWS チャーリー・バワーズ -発明中毒篇-』…
サイレント映画の“無垢なる発明家”チャーリー・バワーズが監督し主演も務めた1920年代のサイレント映画「たまご割れすぎ問題」「全自動レストラン」「ほらふき倶楽部」「怪人現る」と、キャリア初期の短編アニメーション「とても短い昼食」「オトボケ脱走兵」を上映。
「たまご割れすぎ問題」
ある日「たまごの殻が割れやすいのはおかしい!」と気づいてしまった、しがない発明家バワーズ。まさかの着眼点から(まったく仕組みのわからない)“割れないたまご製造機”を発明してひと山あてようと大奮闘する、記念すべき実写映画第一作。
「全自動レストラン」
これが本当のロボットレストラン!? 愛する女性の父が経営する店を訪ね、結婚の承諾を得るはずが求人と誤解されたバワーズは……。まさにマシン・エイジならではの作品で、巨大機械を駆使してレストランの全作業を賄うワンオペの最終形態。
「ほらふき倶楽部」
バワーズ再発見のきっかけとなった重要作。さる紳士に“ほらふきチャンピオン大会”へ招かれたのは、人生に絶望した若き発明家。万物が実る木を発明した彼の身に起きた“真実”とは、はたして……?ガンマンねずみ vs 無限猫の仁義にゃきバトルも必見!
「怪人現る」
幽霊屋敷もののパロディで、アニメと実写がスピーディーに融合する怪作。「ひげの怪人」捜査のためスコットランド・ヤード(?)の探偵バワーズが相棒の謎生物マックと海を渡る。バワーズ屈指のハイパー・ナンセンス・ドタバタ劇について来れるか!?
「とても短い昼食」
「オトボケ脱走兵」
バワーズ工房による制作が確認されている人気カートゥーン「マット&ジェフ」シリーズの1本と、新聞漫画家出身のバワーズらしい風刺の利いたアニメーション。
『NOBODY KNOWS チャーリー・バワーズ -発明中毒篇-』は、関西では、10月8日(土)より大阪・九条のシネ・ヌーヴォ、11月5日(土)より神戸・元町の元町映画館で公開。京都・九条の京都みなみ会館でも近日公開予定。
三大喜劇王と呼ばれる、チャップリン、ハロルド・ロイド、バスター・キートン。映画好きでなくても、彼らの名前を、どこかで聞いたことがある人はいるのではないだろうか。近年、映画好き達の中で改めてジワジワと話題になっているサイレント映画。活弁付きの上映から、ピアノ即興演奏だけのスタイルなど、懐かしくも、新しく、映画の原点を、配信などでは楽しむことのできないライブ感のある上映スタイルが人気の理由のひとつ。本作は、約100年の時を経て掘り起こされたサイレント映画。
本編開始早々、風刺の効いたアニメーションから強烈なパンチを浴びせられた。喜劇王さながらの体を張ったアクションシーンもさることながら、なんとも、言葉では表現しきれない独特で摩訶不思議な世界観に魅了されてしまう。そして、世界観への没入を高めてくれる伴奏がなんとも心地良い。
喜劇王達の作品で、サイレント映画にハマった方はもちろん、映画を普段全く観ていない方でも難しく考えず頭の中を空っぽにして観て楽しむことができる。サイレント映画は、決してお高いモノではなく、現代のありふれたコンテンツの中で、必要最低限な情報のみでシンプルに楽しめる純度の高い映画作品。そして、映画館で観客一体となって笑い楽しむことで初めて本来の形で完成するのではないだろうか。ぜひ、劇場へ足を運んでいただきたい。
from関西キネマ倶楽部
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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