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ダイアナ元皇太子妃の生涯を辿るドキュメンタリー『プリンセス・ダイアナ』と波乱に満ちた伝記映画『スペンサー ダイアナの決意』がいよいよ劇場公開!

2022年9月27日

(C)Pablo Larrain (C)2021 KOMPLIZEN SPENCER GmbH & SPENCER PRODUCTIONS LIMITED

 

ダイアナ元皇太子妃没後25年に際し、世界で最も愛され影響を与えたプリンセスの生涯を辿るドキュメンタリー『プリンセス・ダイアナ』が9月30日(金)より、波乱に満ちた伝記映画『スペンサー ダイアナの決意』が10月14日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『プリンセス・ダイアナ』は、イギリスのダイアナ元皇太子妃の半生を描いた初の劇場用ドキュメンタリー。1981年にチャールズ皇太子と婚約する数週間前から1996年の突然の死までの約16年間にスポットを当てる。チャールズ皇太子とのなれそめ、歴史に残るロイヤルウェディング、息子たちの誕生、離婚にまつわる様々なスキャンダル、政治さえも動かした慈善活動、そして衝撃的な事故死と世界中が悲しみに暮れた葬儀。当時のニュース映像やホームビデオなどあらゆるアーカイブから厳選した映像をつなぎ合わせ、ダイアナの生きた軌跡をありのままに振り返っていく。監督は『本当の僕を教えて』でアカデミー短編ドキュメンタリー賞にノミネートされたエド・パーキンズが務めた。

 

(C)Kent Gavin

 

映画『スペンサー ダイアナの決意』は、クリステン・スチュワートがダイアナ元皇太子妃を演じ、第94回アカデミー賞で主演女優賞に初ノミネートを果たした伝記ドラマ。ダイアナがその後の人生を変える決断をしたといわれる、1991年のクリスマス休暇を描いた。ダイアナ妃とチャールズ皇太子の夫婦関係は冷え切り、世間では不倫や離婚の噂が飛び交っていた。しかしエリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウスに集まった王族たちは、ダイアナ以外の誰もが平穏を装い、何事もなかったかのように過ごしている。息子たちと過ごす時間を除いて、ダイアナが自分らしくいられる時間はどこにもなく、ディナー時も礼拝時も常に誰かに見られ、彼女の精神は限界に達していた。追い詰められたダイアナは故郷サンドリンガムで、その後の人生を変える重大な決断をする。監督は『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』のパブロ・ララインが務めた。

 

(C)Pablo Larrain (C)2021 KOMPLIZEN SPENCER GmbH & SPENCER PRODUCTIONS LIMITED

 

映画『プリンセス・ダイアナ』は、9月30日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸などで公開。映画『スペンサー ダイアナの決意』は、10月14日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸などで公開。

小生が幼かった頃、気づけばダイアナ妃は、マスコミによる過剰な取材に巻き込まれていた、ように思う。日本のワイドショーでは、英国のゴシップ紙による強烈なプライベート写真が映し出されていた。英国では、皇族に対してこのようなこともしてしまっていいのか、と子供ながらに愕然。だが『スペンサー ダイアナの決意』には、そこまで刺激の強い映像は収録されていない。むしろ、貴族の家系であるダイアナ妃とチャールズ皇太子の婚約は、経済状態がどん底に落ちていたイギリスにとってはどれだけ華やかで注目された出来事であったのか、と改めて知った。さらにチャールズ皇太子も色恋多き方でもある、とも知る。皇族の若き者がこれほどまでにスキャンダルなことがあるのか、と当時は思っていたが、その由縁が自然と分かってきた。されど、ダイアナ元皇太子妃が最終的にあのような最期を迎えたことはやるせない出来事である。先日、エリザベス2世が御逝去された今、本作を観ることは、なんとも感慨深い。

 

そして、ダイアナ妃の伝記映画『スペンサー ダイアナの決意』は、1991年のクリスマスの2日間を中心に、或る種の寓話として描かれる。チャールズ皇太子のスキャンダルが発覚し、夫婦関係が冷え切った状況下での出来事だ。皇族の伝統に逆らい、1人の女性として自分らしく生きたいダイアナ妃。エリザベス女王の私邸がある場所とダイアナ妃の故郷が同じであることから、何らかの因果を感じずにはいられない。自然と自らの幼い頃を顧みていくダイアナ妃は、改めて自我に目覚めていく。そこで隣に寄り添おうとしてくれるマギーと呼ばれる女性は実態が掴みにくくも本作を寓話のように描くためには欠かせない存在である。最終的にダイアナ妃が決めた選択の際には、彼女の愛故なるものであると信じたい。1人の英国女性が歩んだ道の極々一部を象徴的に描いた作品である。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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