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車に対し異常な執着心を抱き、危険な衝動に駆られる女性の姿を描く『TITANE/チタン』がいよいよ劇場公開!

2022年3月31日

(C)KAZAK PRODUCTIONS – FRAKAS PRODUCTIONS – ARTE FRANCE CINEMA – VOO 2020

 

幼少期の交通事故で頭蓋骨にチタンを埋め込まれたことで、“車”に異常に執着心を抱く女性が、ある日消防士の男と出会い、ふたりで奇妙な共同生活を送る様を描く『TITANE/チタン』が4月1日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『TITANE/チタン』…

幼少時に交通事故に遭い、頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれたアレクシア。それ以来、彼女は車に対して異常なほどの執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになってしまう。自身の犯した罪により行き場を失ったアレクシアは、消防士ヴィンセントと出会う。ヴィンセントは10年前に息子が行方不明となり、現在はひとり孤独に暮らしていた。2人は奇妙な共同生活を始めるが、アレクシアの体には重大な秘密があった。

 

本作は、『RAW 少女のめざめ』で鮮烈なデビューを飾ったフランスのジュリア・デュクルノー監督の長編第2作。頭にチタンを埋め込まれた主人公がたどる数奇な運命を描き、2021年の第74回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールに輝いた。ヴィンセントを『ティエリー・トグルドーの憂鬱』のヴァンサン・ランドン、アレクシアをアガト・ルセルが演じている。

 

(C)KAZAK PRODUCTIONS – FRAKAS PRODUCTIONS – ARTE FRANCE CINEMA – VOO 2020

 

映画『TITANE/チタン』は、4月1日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の梅田ブルク7や難波のなんばパークスシネマ、京都・七条のT・ジョイ京都や烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

初長編作品となった前作『RAW 少女のめざめ』では、ある姉妹の家族に関する血の秘密を衝撃的に描いていたジュリア・デュクルノー監督。今作では、デヴィッド・クローネンバーグ監督の『クラッシュ』を観ているような感覚になった。カー・クラッシュとの遭遇から始まる描き方は前作とも共通。されど、交通事故によって頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれてしまっても、車には執着していた。そんな主人公のアレクシアが出会うのは、行方知れずの息子を待っている孤独な消防士であるヴィンセント。彼が複雑な性格を持っていることで、アレクシアと共同生活を出来ることは興味深い。そして、各々が自身を表現していく手法として用いられたのは、身体性が強調されたダンス。マッチョなダンスが強烈に加速していくと共に、自らを開放していった。プログレッシブで強烈な作品を、またしてもジュリア・デュクルノー監督に魅せつけられてしまう。カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルムドールを獲得した、ということは、新時代の到来だと云えようか。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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