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チェチェン共和国当局によるLGBTQ迫害を告発するドキュメンタリー『チェチェンへようこそ―ゲイの粛清―』がいよいよ劇場公開!

2022年2月25日

(C)MadeGood Films

 

ロシア支配下のチェチェン共和国で国家主導で行われている、LGBTQに対する迫害の実態を描く『チェチェンへようこそ―ゲイの粛清―』が2月26日(土)より全国の劇場で公開される。

 

映画『チェチェンへようこそ―ゲイの粛清―』は、ロシアのチェチェン共和国で、LGBTQの人々を弾圧する政府当局に命懸けで立ち向かう活動家グループを追ったドキュメンタリー。ゲイやトランスジェンダーであることが“悪”とされるチェチェンでは、LGBTQの人々は当局が関与する拘束や拷問への恐怖に怯え、息を潜めて暮らしている。しかし世界的に抗議の声をあげるには情報が少なく、ロシア連邦政府からの対応も得られないため、活動家たちは秘密裏にネットワークを駆使し、想像を絶する危険な仕事に奔走する。映画ではロシアLGBTネットワークやモスクワLGBT+イニシアティブコミュニティセンターの活動家グループに密着し、彼らが直面する困難と日々の地下活動をゲリラ撮影の手法で記録。当事者の安全のため最新技術を駆使して匿名性を守りながら、非人道的な迫害の様子と危機的状況を暴き出す。監督は『マーシャ・P・ジョンソンの生と死』などで知られ、ノンフィクション作家としても活躍するデビッド・フランス。

 

(C)MadeGood Films

 

映画『チェチェンへようこそ―ゲイの粛清―』は、2月26日(土)より全国の劇場で公開。関西では、2月26日(土)より、大阪・九条のシネ・ヌーヴォや堺のMOVIX堺、神戸・元町の元町映画館で公開。また京都・出町柳の出町座でも近日公開。

チェチェン共和国と聞くと、ロシアからの独立を目指したチェチェン紛争のイメージが大きかった。まさか、このような独裁政治によって、”血の浄化政策”が行われていたとは…。国の宗教としては、イスラム教の割合が高く、宗派による影響も大きい。故に、LGBTQの人々に対して国家警察や自身の家族が関与する拘束や拷問が行われているとは、なんとおぞましい出来事だろうか。これらは、現在の指導者である第3代首長ラムザン・カディロフによるもの。最終的に社会から抹消された扱いとなり、”LGBTQの人は自国に存在しない”ということにされている。そんな浄化政策が存在していいのか。広く非難の声を挙げることが出来ないことがもどかしい。本作によって少しずつでも世界にこの事実が広まっていくことを願ってやまない。

 

なお、助けを求めるLGBTQの人々が本作には登場するが、最大限のプライバシーへの配慮がなされている。デビッド・フランス監督は、ディープフェイクの使用法を更に進化させた、フェイスダブル技術を採用しており、顔や声を変えて本人のことが一切分からないようにした。ドキュメンタリー作品としても出来る限り違和感のないようにしており、よくあるぼかしやモザイクではないので、感情のある印象的な映像となり、彼等は報復を受けることに対する恐怖に怯えずに心境を語ってもらっている。彼等が粛清から逃れ、少しでも穏やかにパートナーと暮らしていることを願うばかりだ。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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