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紛争地の若者達がオーケストラ結成し、平和を願うコンサート開催を目指す姿を描く『クレッシェンド 音楽の架け橋』がいよいよ劇場公開!

2022年1月26日

(C)CCC Filmkunst GmbH

 

対立関係にあるパレスチナとイスラエルの音楽を志す若者たちが、オーケストラを結成し、平和を願うコンサート開催を目指す様を描く『クレッシェンド 音楽の架け橋』が1月28日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『クレッシェンド 音楽の架け橋』は、長く紛争の続くイスラエルとパレスチナから集った若者たちがオーケストラを結成し、コンサートに向けて対立を乗り越えていく姿を、実在する楽団をモデルに描いたヒューマンドラマ。世界的に名の知られる指揮者のエドゥアルト・スポルクは、紛争中のイスラエルとパレスチナから若者達を集めてオーケストラを編成し、平和を祈ってコンサートを開くというプロジェクトに参加する。オーケストラには、オーディションを勝ち抜き、家族の反対や軍の検問を乗り越え、音楽家になるチャンスをつかんだ20数人の若者たちが集まったが、彼らもまた、激しくぶつかり合ってしまう。そこでスポルクは、コンサートまでの21日間、彼らを合宿に連れ出す。寝食を共にし、互いの音に耳を傾け、経験を語り合うことで、少しずつ心をひとつにしていくオーケストラの若者たち。しかし、コンサート前日にある事件が起こる。

 

本作は、世界的指揮者のダニエル・バレンボイムが、米文学者のエドワード・サイードととともに1999年に設立し、イスラエルと、対立するアラブ諸国から集まった若者たちで結成された「ウェスト=イースタン・ディバン管弦楽団」をモデルに描いた。ドロール・ザハヴィ監督の下、ペーター・シモニシェック、ダニエル・ドンスコイ、サブリナ・アマーリらが出演する。

 

(C)CCC Filmkunst GmbH

 

映画『クレッシェンド 音楽の架け橋』は、1月28日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・烏丸のMOVIX京都、神戸・三宮の神戸国際松竹で公開。

紛争中のイスラエルとパレスチナから音楽家を志す若者達。芸術を愛するものならば、民族の壁を超えて素晴らしい作品を作り出すことが出来る…と思っていたら、最初から簡単には上手く実現できない。いがみ合う心が根底にあるならば、オーケストラを結成することは遠い夢だ。いがみ合いたい心を持っておらずとも、周囲に怨念が漂っていれば、もはやその場にいることは出来ない。指揮者のエドゥアルト・スポルクは若者達の才能を信じた上で、彼等の作品を作り上げるために、音楽に限らないグループワークを積極的に実践していく。彼等の調和を作り上げていくことが、オーケストラを結成することには欠かせない要素だと気づかされる。

 

音楽家を志す若者を演じたキャストの中には、実際の音楽家も存在しており、皆で特訓して仕上げた上で披露される楽曲には、ラヴェルの「ボレロ」やパッフェルベルの「カノン」、ヴィヴァルディの「四季」より<冬>やドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」といった誰もが聴いたことがあるようなものが存分にあり、優雅に作品を楽しむことも出来た。とはいえ、単純に和平コンサートを実現することにはつながらない。やはり現実を突きつけられたような気分にもなった。されど彼等が実現したかったことを十分に体験できる至上の作品であると感じている。実在するオーケストラをベースにして、このような作品を作り出したことに心から拍手を送りたい。

 

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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