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フランス・マルセイユ近郊の寂れた街を舞台に、崩壊寸前の家族を描く『海辺の家族たち』が関西の劇場でもいよいよ公開!

2021年5月16日

(C)AGAT FILMS & CIE – France 3 CINEMA – 2016

 

マルセイユを舞台に、近郊の海辺の家で暮らす家族が難民の子供たちと出会ったことで、人生や価値観が大きく変わっていく様子を感動的に描く『海辺の家族たち』が5月21日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『海辺の家族たち』は、フランス・マルセイユ近郊の寂れた街を舞台とした人間ドラマ。パリに暮らす人気女優のアンジェルは20年ぶりにマルセイユ近郊の故郷に帰ってきた。家業である小さなレストランを継いだ上の兄のアルマンと、最近リストラされて若い婚約者に捨てられそうな下の兄のジョゼフ、兄妹3人が集まったのは、父が突然倒れたからだった。ひきごうなった父、家族の思い出が詰まった家をどうするかなど、たくさんの話し合うべきテーマを語りながら、それぞれが胸に秘めた過去があらわになっていく。町の人びとも巻き込んで、家族の絆が崩れそうになった時、兄妹は入り江に漂着した3人の難民の子どもたちを発見する。

 

本作は、『マルセイユの恋』等を手がけたフランスの名匠ロベール・ゲディギャン監督による人間ドラマ。アリアンヌ・アスカリッド、ジャン=ピエール・ダルッサン、ジェラール・メイランらがキャストに名を連ねた。

 

(C)AGAT FILMS & CIE – France 3 CINEMA – 2016

 

映画『海辺の家族たち』は、関西では5月21日(金)より京都・烏丸御池のアップリンク京都で公開。また、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田と神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で近日公開。

本作の原題は『La Villa』、別荘の意味を表す。主人公のアンジェルが20年ぶりに帰郷したマルセイユ近郊の街は、かつては別荘地としてもてはやされ賑わっていたが、今や閑古鳥が鳴く状態。突然倒れた父は、意識はあるもののコミュニケーションが取れずじまい。2人の兄含め、街から離れてしまえば、かつて過ごした世界が無くなってしまう。やはり戻って来られる土地があることは重要だ。ならば、家族の思い出が詰まっている家を残すためにも、家業の小さなレストランを引き継いでいく。とはいえ、それぞれが秘めた過去があるならば、簡単には上手くいかないものだった…

 

物語が行き詰まりそうな頃に突如として現れたのがボートピープルの子供達。兄妹3人と同じく、男の子が2人と女の子が1人。頑なに言葉を発しようとしないが、アンジェルら3人の心境を生き写しのようにも感じる。兄妹3人それぞれの過去であり、未来でもあるようにも捉えてしまう。子供達をいつまでも匿うことは出来ないだろうが、街の未来を作っていくためのヒントでもある。本作がフランスのとある家族を描いた物語だけではなく、国際社会における問題を描いた作品であることに気づかされた。これはフランスに限った問題だけでなく、日本含め先進国のどこでも起こり得ている問題を描く大切な作品だ。ぜひ美しい海辺の景色を堪能しながらも真摯に本作を観てほしい。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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