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弱者ほど生きにくい時代に翻弄される母子姿が描かれる『茜色に焼かれる』がいよいよ劇場公開!

2021年5月16日

(C)2021『』フィルムパートナーズ

 

人生の逆境に立ち向かう愛情深き母親と、そんな母を気遣いながら学校のいじめに耐え忍ぶ息子の姿を描く『茜色に焼かれる』が5月21日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『茜色に焼かれる』は、石井裕也監督が自身の母親をモチーフにメガホンを取った人間ドラマ。7年前、理不尽な交通事故で夫を亡くした母と子。母の田中良子はかつて演劇に傾倒していたことがあり、芝居が得意だった。ひとりで中学生の息子である純平を育て、夫への賠償金は受け取らず、施設に入院している義父の面倒もみている。コロナ禍により経営していたカフェが破綻し、花屋のバイトと夜の仕事の掛け持ちでも家計は苦しく、そのせいで息子はいじめにあっている。そんな彼女たちが最後まで絶対に手放さないものがあった。

 

本作は、尾野真千子さんの4年ぶりとなる単独主演映画。社会的弱者として世の中の歪みに翻弄されながらも信念を貫き、たくましく生きる母の良子を尾野さんが体現し、息子の純平役を『ミックス。』の和田庵さんが演じるほか、片山友希さん、オダギリジョーさん、永瀬正敏さんらが顔をそろえる。『舟を編む』『』の石井裕也さんが監督を務めた。

 

(C)2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ

 

映画『茜色に焼かれる』は、5月21日(金)より全国の劇場で公開。関西では、5月21日(金)より京都・二条のTOHOシネマズ二条や兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OS等で公開。また、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば等でも近日公開。

政治情勢や社会問題、不慮の事故など世の中には個人の力ではどうにもならない出来事が多過ぎる。そして、新型コロナウイルスによって当たり前の日常が立ちいかなくなって1年が経過し、未だに収束する気配がない状況が続く。本作は、コロナ禍に生きる私達の今と理不尽に蔑ろにされる個人を切り取った映画だ。まずこのスピード感でコロナ禍や社会問題を切り取ろうとする志が素晴らしい。

 

夫を交通事故で亡くし、経営していたカフェがコロナ禍で閉店、日々の生活費や義父の入院費を捻出する為にパートと夜の仕事をかけ持ちしているシングルマザーと貧しさのせいでいじめられている息子の境遇は観ているだけでも辛い。彼らがどんなにルールを守っても意味不明なルールや権力で簡単に歪められるし、どんなに苦しい生活をしていても全く気に留めようともしない。そして、社会は弱者に対して冷たい視線を投げかけ、平気で切り捨てる。また、日本を取り巻く閉塞感や排他的な空気感も重くのしかかっていく。

 

彼らの状況は、決して特別ではなく、誰にだって起こりうる。いつか切り捨てられるかもしれない不安とどうにもならない理不尽に打ちひしがれてしまう。それでも、母と息子は懸命に生きていく。絶望しそうになっても生きようとする衝動が茜色に輝き、理不尽な世界で苦しむ人々の想いを不要不急だと切り捨てられた表現の力で訴える。なんと力強くて真っ直ぐな映画だろうか。役者陣の熱演も含めて目が離せなかった。

fromマリオン

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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