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男を知り、自分を知り、甘くて苦い想いはやがて、少女の中でキャンディのように溶けていく…『スウィートビターキャンディ』が第16回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門で世界初上映

2021年3月7日

(c)スウィートビターキャンディ

 

子供と大人の間で揺れる女と、どこにも居場所のない男の、みじめで可笑しい心模様を描く『スウィートビターキャンディ』が第16回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門で世界初上映された。

 

映画『スウィートビターキャンディ』は、思春期を揺れる女と居場所のない男による惨めで可笑しい物語。裕福な家庭で育った女子高生・サナエは、家政夫としてやってきた男である裕介に初めての恋心を抱く。心を通わせていく二人であったが、やがて裕介がストーカーで居場所を追われ続けた男だと知る。父の会社の社員である山下も裕介の素性を知ることになり……恋を知った女と、人を愛することを諦めた男。二人を取り巻く環境にそれぞれの思惑が絡み合い、人間模様は変化していく。

 

本作は、映画・ドラマ・CMで活躍中の小川あんさん、石田法嗣さん、田中俊介さんが出演し、2016年に名古屋市都市センターの助成により制作された『アーリー・サマー』と地続きの世界観を中村祐太郎監督が描いた。

 

映画『スウィートビターキャンディ』は、3月8日(月)16:00よりシネ・リーブル梅田でも上映。

ダメ男と面倒くさい女が絡まり合っていく物語。男は、社会のレールから一度は外れてしまい、復帰できる居場所があるかどうか。行きついた先によって生き方が変わっていく。女は未完成な男が魅力的に見え、近づいてしまったら、少しでも寄り添っていきたい。しかも、子どもと大人の間で揺れ動いてしまう時期ならば、猶更。まさに、甘くてほろ苦いストーリーに仕上げられている。まさに縦横無尽に幅広いジャンルを手掛ける中村祐太郎監督ならでは作品だ。

 

家政夫としてやってきた男である裕介を演じた石田法嗣さんは、初主演作『カナリア』の頃から抜群の演技力があり、不安定な心情を抱える役を演じさせたら説得力がある。自身を振り回してくる相手には直球で向い、でも。ほっとけないならば応えようとしていく。まさに今作においてピッタリのキャスティングである。現代を生きる家族の中に1つの異物を落として広がる波紋によって変化していく人間模様、思春期の終わり頃に起きた出来事を巧みに描いた一作であった。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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