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デジタルなモノクロで何が出来るか見てみたかった…!『VIDEOPHOBIA』宮崎大祐監督に聞く!

2020年11月4日

大阪を舞台に、一夜を共にした男によってネット上に情事の動画を拡散されてしまった女性が味わうことになる恐怖や苦悩を映し出す『VIDEOPHOBIA』が関西の劇場でも11月7日(土)から公開。今回、宮崎大祐監督にインタビューを行った。

 

映画『VIDEOPHOBIA』は、『』『TOURISM』で注目を集めた宮崎大祐監督が、大阪のアンダーグラウンドを舞台に、ネットワークの落とし穴から迷い込んだ異世界で追い詰められていく女性の恐怖をモノクロ映像で描いたスリラー映画。東京で女優になる夢に破れ、故郷・大阪のコリアンタウンに帰って来た29歳の愛。それでも夢を諦めきれない彼女は、実家暮らしでバイトをしながら演技のワークショップに通っていた。そんなある日、愛はクラブで知り合った男と一夜限りの関係を持つが、数日後、その時の情事を撮影したと思われる動画がネット上に流出してしまう。自分のものとは断言できないものの、動画は拡散していき、愛は徐々に精神のバランスを崩し始める。『恋するマドリ』の廣田朋菜さんが主人公・愛を体当たりで演じ、『リリィ・シュシュのすべて』の忍成修吾さん、『西北西』のサヘル・ローズさんらが共演。

 

大阪にある様々な下町が登場する本作。宮崎監督は、鶴橋の界隈に主人公の家を設定したいとロケハンを回っていく。プロデューサーの西尾孔志さんから様々な古くからある家屋を紹介してもらったが、最終的にギャラリー・イベントスペースのitochihaを気に入った。「古い日本家屋の中で、縦に長い間取りは現代家屋では見ないつくり。二階の窓枠がおもしろく、様々な演出が出来る」と興味津々に画作りを構想。また、忍成修吾さん演じる男が住む家についても、ベランダの大きさや向いが野球場になっているロケーションから気に入っている。他にも、船からの視点で大阪を撮り、新たな発見があった。

 

2011年に初長編作品『夜が終わる場所』を監督して以降、コンスタントに制作してきた宮崎監督。最初に大まかな話を作りシーンを埋めていきながらストーリーを作ってきており「”風が吹けば桶屋が儲かる”のように、関係性がない中で過程があるので、その発想で書いている」と話す。今作においては「最終的な展開は想定していましたが、そこまでにどう転がっていくか、シーン毎にイメージして、ワークショップや船でのシーンといったようなやりたいシーンを繋げていきました」と語る。なお、全編を通してモノクロームで捉えた映像が連なっているが「映画学校に通っていた頃から、モノクロにすると映画っぽくなるけど誤魔化していないか」個人的に考えていた。しかし「前作の『TOURISM』は比較的派手な映画だった。本作は、デジタルなモノクロで何が出来るか見てみたかった」と敢えて挑戦している。資金調達やキャスティングも比較的順調に進み、万全の体制で撮影に挑んだが、撮影では「暑い真夏の大阪での撮影は大変でした。ラストシーンは暑過ぎて気を失いそうになった」と苦渋をなめたことを告白。意外な苦労をしながらも、念願の大阪を舞台にした作品が完成に至った。

 

また、本作を大いに印象付ける要素として、BAKUさんが手掛けた音楽の存在が大きい。本作企画時にBAKUさんと知り合って意気投合し「テクノっぽい電子音を取り入れたい。深海のような低音のある響きが合う」と確信し楽曲を依頼。攻撃的なダンス・ミュージックが映画の展開を更に盛り上げている。さらに、本作のポスタービジュアルを漫画家の山本直樹さんが描き下ろした。廣田朋菜さんと山本直樹さんが友達関係にあり、宮崎監督は山本さんの作品を見ながら「映画のイメージが合うんじゃないか。身体的ではない”性”が判別しづらい女性を描くことは、山本さんが得意ではないか」と思いを巡らしてオファーし快諾頂いた。近年も大阪や東京で短編や中編の実験映画を撮っており精力的に制作し続けており、現在は「もう一度しっかりとした予算がある長編を撮りたい」と沸々と目を輝かせており、次に向かって準備している宮崎監督の本気が伝わってくる。

 

映画『VIDEOPHOBIA』は、関西では11月7日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場で公開。また、京都・九条の京都みなみ会館、神戸・元町の元町映画館でも近日公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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