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イ・ヨンエが14年ぶりにスクリーン復帰!息子を探し続ける母を演じた『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』がいよいよ劇場公開!

2020年9月16日

(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

 

愛する息子が突如として失踪し、6年間探し続ける母親の姿を描き出す『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』が、9月18日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』は、6年前に失踪した息子を探し続ける看護師ジョンヨンを主人公にしたサスペンス。看護師として働くジョンヨンと夫のミョングクは、6年前に行方不明となった息子のユンスを探し続けていた。捜索途中に悲劇的な事故に遭い、憔悴しきった彼女の元に「ユンスに似た子を、郊外の漁村で見た」という情報が寄せられる。その情報をもとにジョンヨンは漁村へと向かうが、彼女の前に立ちはだかったのは、釣り場を営む怪しげな一家だった。

 

本作では、大ヒットドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」のイ・ヨンエが『親切なクムジャさん』以来14年ぶりの映画出演を果たし、主人公ジョンヨン役を演じている。また『風水師 王の運命を決めた男』、ドラマ「梨泰院クラス」のユ・ジェミョン、『The NET 網に囚われた男』のイ・ウォングン、『毒戦 BELIEVER』のパク・ヘジュンらが脇を固めた。監督は本作が長編劇映画デビュー作となるキム・スンウが担っている。

 

(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

 

映画『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』は、9月18日(金)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、9月25日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

観ている間、「お前のせいで!」と何度も叫びそうになった。「あの人があんな事をしなければ」と感じざるを得ない、やるせなさの連続。”良い人”が登場せず、誰も信用できない孤立感。どうしてこんな辛い目に遭わなければいけないのか、と絶望感だけがある。容赦ない苦境の中で、これほどに憔悴して疲れ切った姿でも、凛々しく美しいイ・ヨンエの存在感が素晴らしい。

 

ハリウッド映画なら「誘拐した子供のお母さんが実は元特殊部隊のスゴイ人。我が子を救うために一人で武装して突入する」という痛快な展開も期待してしまうが、単純なエンタメ作品ではない。決してあきらめない母の愛。しかし安心感は全く無い。もしかしたら、もうダメなのか。悲しいラストも覚悟して、ずっと気を張り詰めっぱなしの2時間を締めくくる、鑑賞している側もその場に座り込んで力が抜けてゆくようなクロージング。ハッピーエンドかバッドエンドなのか言い切ることは出来ないが、ずっしりとした充実感を残すことは、自信をもって保証する。今後、名前を聞くことが多くなるであろうキム・スンウによる第一回監督作品。今観ておくことをお勧めしたい。

fromNZ2.0@エヌゼット

 

時折、街で目にする行方不明者のポスター。それが幼い子どもであれば尚更に胸が痛むが、同情しながらも横目に通り過ぎてしまう。誰しも同様の経験があるのではないだろうか。本作は、私たちが通り過ぎてきた無数の事件の裏にある、悲しみと絶望を描いている。主人公ジョンヨンの信念とも呼べる強い愛に心を打たれると同時に、現実と切り分けることのできない痛みがあり、胸が張り裂けるような思いを何度も味わうことになるので覚悟してほしい。サスペンス要素も秀逸で、何気ないシーンの端々に潜む嫌悪が作品全体を包んでおり、観客はジョンヨンと同じ恐怖を突きつけられる。

 

ジョンヨンが目撃情報を頼りに訪ねる「漁村」の人々は、本作のもう一つの核であり、彼らの物語でもあると云っても過言ではない。歪な主従関係や男尊女卑を孕んだ、貧しく閉鎖的なコミュニティ。「そこ」でしか生きられない彼らに、子を探す母の姿はどう映っているのか。本作はフィクションだが、今もどこかで不幸な出来事が起こっている。作品に感じる絶望には、現実の問題に対して無関心な自分自身への罪悪感も含まれているように感じた。

fromマエダミアン

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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