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シリアスな作品だからこそ皆が常に笑顔で楽しく…『BLOOD-CLUB DOLLS 2』松村龍之介さんに聞く!

2020年7月17日

裏社会に存在する地下闘技場を舞台に、それぞれの事情を抱えた剣闘士たちの激しい死闘が描かれる『BLOOD-CLUB DOLLS 2』が全国の劇場で公開中。今回、主演の松村龍之介さんにインタビューを行った。

 

映画『BLOOD-CLUB DOLLS 2』は、日本刀を武器に吸血鬼と戦う少女の姿を描いたアニメ「BLOOD-C」シリーズの実写化作品「BLOOD-CLUB DOLLS」の第2部。「小夜という名の少女が日本刀を武器に戦う」という設定だけを残し、実写版オリジナルストーリーが展開する。アニメ版の全作に携わってきた藤咲淳一が脚本に参加。同シリーズの実写化『阿修羅少女 BLOOD-C 異聞』『BLOOD-CLUB DOLLS 1』を手がけた奥秀太郎が引き続きメガホンをとった。閉鎖されたはずの地下闘技場「BLOOD-CLUB」は場所を変えて営業を続け、「勝ち残れたら望みがかない、負けたら死ぬ」というルールの下で死闘が繰り広げられていた。闘技場のVIPルームには国政をつかさどるトップ政治家たちや、裏社会を統治する蒼炎をはじめとした実力者たちが集まり、強大な権力を得ようと暗躍する。そんな彼らに、警視庁の水戸刑事らの捜査の手が迫っていた。

 

謎が多く仕込まれており、伏線だらけの本作。松村さんは「中心人物となる、有栖川、藍刃、蒼炎がいて、文人と小夜がいる。文人が3人の中を行ったり来たりしている。小夜は翻弄されており、どちらにも関与しながら、自分が観たい結末の為に動いている」と解説。「今回は静なる演技が多かった。その代わりに藍刃が動いている。今作で藍刃を掘り下げていき、今後へのフックになれば」と考えており「核心に至る前であり、ホップ・ステップ・ジャンプにおけるステップの段階」だと捉えている。皆の中心に立っていると認識しており「シリアスな作品だからこそ皆が常に笑顔で楽しく撮影できたら」と現場の一体感を大切にしていく。

 

撮影現場では、お互いの力を存分に発揮できるような空間づくりを意識し「『作品に携わって良かった』と思ってもらえるようにしたい。皆が笑っている方が僕も楽しい」と常に考え「世界観を理解するのが難しい中で、お互いに不安がある。皆で共有して歩んでいこう」と心掛けた。回想シーンでは初共演する若い役者もいたが「素直な良い子で楽しかった。健全な現場でした」と振り返り「有栖川を演じる黒崎真音ちゃんとのシーンもお互いに楽しんで、重苦しいシーンだからこそ合間に冗談を言いつつ楽しく撮影できました」と懐かしむ。抽象的なシーンが多かった本作だが、監督とのディスカッションは欠かしておらず「何を以てこの台詞なのか理解することから始めた。どのように見せた方が良いのか、気持ちの込め方を考えながら、核心を突く部分では敢えて抑えた演技をしていました」と説く。画と演出と音によって重厚なシーンを作り上げており「蒼炎は残虐なことが出来るようになった人物なので、彼の記号を残そうと演じていました」と明かした。

 

独特の世界観を放つ本作だが、現実にあったと想定してみると、松村さんは「どの立場になっても癖がありますよね。僕は極力争いたくないので…」と、様々な立場について考えながら「闘技場の観客です。リアルに考えると、観てる程度が良いです」と本音を漏らす。また、演じた蒼炎の立場になってみると「文人は関わりたい人物ですが、敵としては向き合いたくない。寄り添い理解し、結果として飲み込みたい野心があります。表立って対決する時は今ではない。ピースが揃ったら対決する時がある」と確信。他にも「藍刃に対しては純粋な興味が強い。興味以上の感情がみちるに対してある。刑事関係には面倒くさくて関わりたくない、手間が増えるだけ」と実感を込めて話した。

 

今後もまだまだ続くことが予想される本作。演じる立場としても未知数であり「現場では監督・スタッフを信じて、役者同士で力を合わせて作っている感覚に近い。シリーズ作品や長編になると逆算して作り込んでいくことが多いですが、今回は無いので、どうなっていくのかな」と出演者としても視聴者としても楽しみながら携わっている。結末に向けてのプロセスを共有しておらず「各々が役作りをしていく時に、現場での監督やプロデューサーの意見を汲み取っている。100%理解している役者はおらず、本作の世界観や不可解さに作用している。謎だらけで明記しているものがないからこそ、惹き込まれる不気味な世界観を作り出している」と興味津々だ。松村さんは「1は、問題提起の”起”、2は”承”から”転”が入ってくる。全部を回収するのは、監督ら制作陣の好み」だと受けとめており「全ての謎を解明するのは気持ちいいが、それ以上に救いがあると良いな。誰かの救いになるということは、誰かの絶望にもなる。観客の驚きに加えて納得も欲しい。ストンと落ちる結末を迎えられたらいいな」と期待している。特に「小夜と文人は特別な人物なので、彼等の交わりが美しく終わってほしい。『BLOOD-C』シリーズは2人の関係性で始まって終わっていくので、暴力的な描写やグロテスクな表現がある中で、美しさに繋がる瞬間がある」と魅力を感じており「監督も映像や衣装や照明なども含めた演出で美しい瞬間を切り取るのが好きな方なので、美しさを纏わせながら救いのある、ストンと心に落ちて残るような展開を望んでいます」と理解を示しながら、楽しみにしていた。

 

なお、松村さんは2.5次元舞台を中心に活躍中。共演する若手俳優達とも一緒に過ごす期間が長いので仲が良く「2.5次元舞台だと原作を知っている達もいる。作品愛に溢れている人が集まりやすい。出演するにあたって、勉強して惚れ込み、熱意が高まりやすく、仲が良くなりやすい。同世代が多いことも大きい」と感じている。尊敬する人物として、真田広之さん、役所広司さん、藤原竜也さんを挙げ、共演したことある同年代の俳優も含め「自分にないものを持っている人に凄く惹かれますね」と常に謙虚な心を絶やさない。今後の活動に対しては「大きな舞台に飛び込んでいこうと切磋琢磨していく姿勢は持つべきもの。時々、演技に関して熱く語る人もいる。人間力が発揮できる御仕事なので、特徴的な人はおもしろく、真面目な人は良い人で、それぞれの個性が出ている。僕は負けたくない気持ちと認める気持ちを常に持っています」と真摯に未来を見据えていた。

 

映画『BLOOD-CLUB DOLLS 2』は、7月11日(土)より、大阪・梅田の梅田ブルク7、京都のT・ジョイ京都、神戸・三宮の神戸国際松竹をはじめ全国の劇場で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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