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世の中捨てたもんじゃない、どんなことにも希望を見出したい…!『ゆうやけ子どもクラブ!』井出洋子監督に聞く!

2020年2月14日

1978年から障がいのある子供の放課後を支援している、東京都小平市の“ゆうやけ子どもクラブ“を捉えたドキュメンタリー『ゆうやけ子どもクラブ!』が2月15日(土)より関西の劇場で公開される。今回、井出洋子監督にインタビューを行った。

 

映画『ゆうやけ子どもクラブ!』は、放課後活動の草分け的存在でもある東京都小平市の「ゆうやけ子どもクラブ」のドキュメンタリー。1978年、放課後や夏休みの子どもたちの活動場所が欲しいという親たちの願いから誕生した「ゆうやけ子どもクラブ」。そこでは、小学生から高校生までの子どもたちがともに放課後の時間を過ごしている。知的障害や発達障害、自閉症など、さまざまな障害を持った子どもたちも、遊びや生活の時間を通して自らの内面に向き合っていき、スタッフの大人たちも、そんな子どもたちを全身で受け止めていた。映画は、そうした子どもたちが時間をかけてゆっくりと変わっていく姿を追いかけ、子どもたちにとって大切なことは何かを描いていく。

 

「ゆうやけ子どもクラブ」代表の村岡さんからコンサート向け映像制作を依頼された当時の井出監督は、障碍者向けの放課後活動を知らず「重要な活動ではないか」と気づき、本作の制作を企画した。ゆうやけ子どもクラブは学童クラブと同じく、学校から帰った子供達が夕方まで過ごしている。学童クラブは職員が比較的少ないが、ゆうやけ子どもクラブは1対1か2対1で担当しており「ひとりひとりの拘りがあるので、子供達に対応する為に職員が沢山いる。指導員さんという肩書だけど、アルバイト。皆がおもしろく感じながら長年取り組んでいる」と解説。

 

撮影にあたり、子供達はカメラをスッと受け入れてくれた。「あまりカメラを意識していないように見える。逆に目を合わせるのが苦手な子もいる」と感じながら、場所に溶け込むように撮影し「離れて撮ろうとせず、密着して撮りました」と振り返る。2017年の冬から2019年の3月まで1年半の間に30日出向いては終日撮影し、おもしろい場面を本作ではピックアップ。井出監督は、構成を考えながら全体の長さを少しづつ詰めていった。ドキュメンタリーの撮影に対し、カメラとマイクで発見するおもしろさを見出しており「編集段階で表情や感情に新たな発見があり、取り込んでいく。喋らなくても子供の中に言葉がある」と気づき、それらを引き出した職員の方々には感謝している。

 

ドキュメンタリー制作にあたり、井出監督は自身が気になることをカメラとマイクで発見するようにしてきた。本作でも「子供達がどんな様子で、どんな成長の兆しを見せてくれるのかカメラで掬い上げられたら」と願っており「世の中捨てたもんじゃない、と思って生きていきたい。障碍者の子供達を育てていくことに希望を以て見い出したい」と思って制作している。現在は、2011年の夏から撮り始めた有明海やのり養殖を舞台にあらゆる場所を取材したドキュメンタリーを編集中。忙しい日々が続いているが「自分が興味あることを取り組みたい。根底にあるのは、希望を見い出したいこと」と語り、今後も果敢に取り組んでいく。

 

映画『ゆうやけ子どもクラブ!』は、2月15日(土)より大阪・九条のシネ・ヌーヴォ、2月29日(土)より神戸・元町の元町映画館、3月7日(土)より京都・烏丸の京都シネマで公開。なお、各劇場では井出洋子監督やゆうやけ子どもクラブの方による舞台挨拶が予定されている。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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