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グリーンランドの小さな村に赴任した教師を描く『北の果ての小さな村で』がいよいよ関西の劇場でも公開!

2019年8月27日

(C)2018 Geko Films and France 3 Cinema

 

デンマーク領であるグリーンランドを舞台に、人口80人の村の小学校に赴任した新人教師と、村の人々や子供たちとの交流を描く『北の果ての小さな村で』が8月30日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『北の果ての小さな村で』は、北極圏に位置する島国グリーンランドを舞台に、人口80人の村の小学校に赴任したデンマーク人教師が村の人びととの交流の中で成長していく姿を描いたフランス映画。グリーンランド東部にある、80人の小さな村チニツキラーク。子どもたちにデンマーク語を教えるため、デンマークから28歳の青年教師アンダースが村の小学校に赴任した。アンダースは自分探しのために、家業である農業の継がずにこの村での生活を選択した。しかし、言語や習慣の違いからろくに授業はできず、村人との考え方の違いから孤立気味に。想像を上回る過酷な自然もあり、彼は自身の考えが甘かったことを痛感する。そんなある日、狩猟のために学校を休んだ児童を叱責する目的で児童の家を訪問したアンダースは、少年の祖父母からさまざまなことを教わることとなる…

 

本作では、アンダース、子供たち、漁師ら登場人物を本人が演じている。監督は『L’apprenti(原題)』で第65回ヴェネツィア国際映画祭国際批評家週間作品賞を受賞したサミュエル・コラルデ。アンダースは演劇の経験を持ち、コラルデ監督の膨大なリサーチ量と製作プランを知って出演オファーを快諾。監督からシーンの状況やストーリーの説明を受けながら、撮影に臨んでいる。

 

(C)2018 Geko Films and France 3 Cinema

 

また、本作の公開を記念して、大阪・淀屋橋にある北欧料理店 Keitto Ruokalaでは、作品の美しい場面をちりばめたパネル展を開催中。なお、通常メニューに加えて、期間限定のディナーコース [¥1,500 (お一人様)]を提供しており、北欧気分を味わえる。

 

映画『北の果ての小さな村で』は、8月30日(金)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、、8月31日(土)より、京都・烏丸の京都シネマ、10月11日(金)より、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

登場人物は全て本人が演じており、ドキュメンタリーのような劇映画のような、不思議な作品を観ている気分になった。

 

グリーンランドに移り住んだ主人公と、グリーンランドの小さな町で生まれ育ってきた人達が、自身の生活を営み、かつ自身を演じている。以前公開された本人達が過去の出来事を演じた作品と違い、ほぼ現代をリアルに演じており、嘘偽りがない。現地に住んでいる人達だからこそ出来上がる作品となっている。

 

また、本作は、所縁のない土地に住むことの実態を率直に映し出す。現地の方について本質的に理解しなければ孤立してしまう。自身の考え方を押し付けず、相手が本当に実現したいことを叶えるためには何をすれば良いか考えさせられる。この課題は、映画の中だけでなく、日本含め世界中で考えられるべきこと。憧れだけでは決して収まらない現実と理想の狭間を見せつけられた。

 

とはいえ、小さな村ならではの全ての生き物に敬意を払う丁寧な暮らしが本作では描かれている。シンプルで豊かな日常を垣間見て何を感じるか。自身の日々を見つめ直せる一作であった。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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