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新宿タイガーは守り神になりました…!『新宿タイガー』佐藤慶紀監督を迎え舞台挨拶開催!

2019年4月12日

新宿で虎の面を被り、新聞配達をしている街の有名人、通称“新宿タイガー“にスポットを当てたドキュメンタリー『新宿タイガー』が4月12日(金)より関西の劇場で公開。初日には佐藤慶紀監督を迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『新宿タイガー』は、虎のお面を被って40年以上新聞配達をし、新宿の街ではおなじみとなっている1人の男性を通して、新宿という街の魅力に迫ったドキュメンタリー。派手な服装に虎のお面、デコレーションが施された自転車にまたがり、長年にわたり新聞配達を続けている通称「新宿タイガー」。彼は24歳だった1972年にタイガーとして生きることを決意する。彼がなぜその決意にいたったのか。彼が勤務する新聞配達店や新宿ゴールデン街の店主、タイガーをポスターに起用したタワーレコード新宿店の関係者、俳優の渋川清彦さん、八嶋智人さん・宮下今日子さん夫妻など、彼をよく知るさまざまな人びとへのインタビューから、新宿タイガーの人物像、そして彼を受け入れる新宿という街に迫っていく。
監督は『HER MOTHER 娘を殺した死刑囚との対話』の佐藤慶紀さん。ナレーションを寺島しのぶさんが担当。

 

上映後、佐藤慶紀監督が新宿タイガーの大きなお面を掲げながら登場。和やかな雰囲気で舞台挨拶が繰り広げられた。

 

佐藤監督は東京に10年以上住んでいるが、新宿タイガーを知らなかった。前作『HER MOTHER 娘を殺した死刑囚との対話』の配給会社の方と話している時に「タイガーさんを以前から新宿でよく見かけている。一体あの人はどんな人なんだろう、とずっと前から気になっていた」と聞き「ドキュメンタリーを撮ったら、おもしろいんじゃないか」と意見が一致。本作の企画が始まった。佐藤監督は、インターネットで新宿タイガーの写真を見た時に「こういう格好をして生きている方がいるんだな」と嬉しくなったと同時に「なぜこんな格好をしているんだろう」と疑問を深めていく。

 

その2か月後、「タイガーさんの携帯電話番号を手に入れました」と配給会社から連絡が入り、打ち合わせのために初めて会うことになる。第一印象は「独特な空間が広がっていて怖いな」と感じた。挨拶すると、手で合図されながらも何も喋らずじまいで「一体この人はどんな人なんだろう」と不安を憶えながら、新宿タイガーさんが行きつけの喫茶店に向かう。喫茶店に到着すると、店員さんは慣れており、いつもの席に案内していく。席について直ぐにお面を取ると、ベラベラ喋り始め「一聞くと百返す勢いでずっと喋っていた。連想力が凄く、様々なことを話して、語尾の単語から連想して次の話題に切り替わる」と感心しながらも、本来聞きたかったことをなかなか聞けなかった。結局、3時間もタイガーさんの話を聞き、それを3回繰り返した後に、ようやく撮影を始めていく。

 

新宿タイガーは撮影を快く歓迎する。佐藤監督は「なぜタイガーさんはこの格好をしているのか」と理由を聞きたかった。新宿タイガーは一つの答えを示すが「本質的なことを知りたかった。最初の頃は、タイガーさんが何を考えているか分からなかった。タイガーさんはどこまで考えていて、どこまで衝動的にやっているのか」と悩まされていく。「本質的な部分に近づいていくことは難しい」と思いながらも、ある時に「それでもなお聞きたい」と、率直に問い詰めるように聞いたことがあった。すると、新宿タイガーに怒られてしまう。「柔軟な部分なんだな」と分かりつつも「タイガーさんは一体どんな人なんだろ。知りたい」と思い、ひたすら新宿タイガーと一緒にいることを心掛け、飲みに誘われた時はカメラを回し続けていく。新宿タイガーに近づけるヒントが出てくるんじゃないか、と期待しながら撮り続けていく中で「タイガーさんの一つの仕草や表情を実際に見ていると、自分の中で、タイガーさんが見えてくる。人の知ることはとても難しいことだな」と改めて実感。長い時間過ごさないといけないと受けとめ、最終的に「タイガーさんが大好きになりました。こんな方は他にいない。僕の先生として勉強させてもらい、応援したいという気持ちになり、本作が出来上がりました」と満足している。

 

最後に「今後、僕が映画を撮っていく中で、タイガーさんが僕にとっての守り神だと思ってやっていきたい。今作を撮り、いい経験をさせてもらいました」と現在の気持ちを伝え、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『新宿タイガー』は、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で公開中。また、5月25日(土)より、九条のシネ・ヌーヴォと神戸・元町の元町映画館でも公開。また、京都・出町柳の出町座でも近日公開予定。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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