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東アジア反日武装戦線を追った韓国発のドキュメンタリー『狼をさがして』が関西の劇場でもいよいよ公開!

2021年4月22日

(C)Gaam Pictures

 

1970年代半ばに大手ゼネコンなどの企業を狙い、爆破テロを次々に起こした“東アジア反日武装戦線”を捉えたドキュメンタリー『狼をさがして』が4月23日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『狼をさがして』は、1970年代半ばに連続企業爆破事件を起こしたテロリスト集団「東アジア反日武装戦線」を追ったドキュメンタリー。1974年8月30日、東京・丸の内の三菱重工本社ビルで時限爆弾が爆発し、8人が死亡、約380人が重軽傷を負った。1カ月後、「東アジア反日武装戦線“狼”」と名乗る犯行グループが声明文を出し、この爆破を「日帝の侵略企業・植民者に対する攻撃である」と宣言。その後「大地の牙」「さそり」といった別働隊も現れ、翌年5月までの間に旧財閥系企業や大手ゼネコンを標的とした爆破事件が相次いだ。そして5月19日、東アジア反日武装戦線一斉逮捕のニュースが大々的に報じられる。日本中を震撼させた彼らの素顔は、ごく普通に市民生活を送る20代の若者たちだった。時は過ぎ、2000年代初頭、釜ヶ崎で日雇い労働者を取材していた韓国のキム・ミレ監督は、ある労働者から東アジア反日武装戦線の存在を聞き、彼らを題材にしたドキュメンタリーの撮影を開始。出所したメンバーやその家族、支援者の証言を追う中で、彼らの思想の根源がひも解かれていく。

 

映画『狼をさがして』は、関西の劇場では、4月23日(金)より京都・九条の京都みなみ会館、4月24日(土)より大阪・九条のシネ・ヌーヴォで公開。また神戸・元町の元町映画館でも近日公開予定。

1960年代の学生運動全盛期を経て、残党は日本赤軍等のテロ組織へと変化していく…1980年代に生まれた我が身にとっては、日本の近代史にあった出来事という印象が大きい。1974年に爆弾テロ事件があったなんて知らなかった。こんなことが本当にあったのか、驚くばかりである。彼等がテロを起こす理屈を聞いてみると、戦後から30年近く経過しても、未だにそんな思想を以て企業を敵とみなすのか、と呆れるばかり。当時の人々は、彼等をどのように理解していたのだろうか。翻って、現代なら、オウム真理教が起こした事件に近いニュアンスがあると捉えてもよいのか、どうだろう。

 

当時の日本を揺るがした者達、彼らは、どこにでもいるような会社員としてごく普通に生きる20代の若者達だった。本作では、監獄から出所したメンバーや彼らの家族や支援者を追っていく。多少なりとも危険性が伴うようにも感じたが、実態は、年老いた人間でしかなかった。本当にテロリストだったのか、と思える程に信じられない。決して彼らに同情を示すべきではない、と分かっている。なお、本作を手掛けたのは、韓国生まれのキム・ミレ監督。韓国と日本の労働運動や人権問題にスポットをあてたドキュメンタリーを制作しながら、ふとしたきっかけでテロリスト集団「東アジア反日武装戦線」に注目し追いかけていく。第三者の視点から彼らに注目し、真摯に追いかけていく姿を通して、彼らがやりたかったことの真相について考えてみてほしい。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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