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35mmフィルム撮影の短編映画に想いを詰め込んだ…次代を担う長編映画監督の発掘と育成を目指す「ndjc2018」上映開始!若手監督迎え舞台挨拶開催!

2019年3月16日

次代を担う長編映画監督の発掘と育成を目指す文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」の2018年度作品が完成し、3月16日(土)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で上映。本公開初日には、各作品を手掛けた、板橋基之監督、岡本未樹子監督、川上信也監督、眞田康平監督、山元環監督を迎え、舞台挨拶が開催された。

 

文化庁委託事業「ndjc(new direction in Japanese cinema):若手映画作家育成プロジェクト」は、次代を担う優れた長編映画監督の発掘と育成を目指し、平成18年度より始まり、今年度で13年目になる人材育成事業。優れた若手映画監督を公募し、本格的な映像製作技術と作家性を磨くために必要な知識や技術を継承するためのワークショップや製作実地研修を実施すると同時に、作品発表の場を提供することで、次代を担う長編映画監督の発掘と育成を目指している。
8月に行われたワークショップから選出され、製作実地研修に進んだ5人の若手監督が、講師による脚本指導を経て、各制作プロダクションの協力のもと、プロのスタッフ・キャストと共に35mmフィルム撮影による短編映画を制作。フレッシュな感性と第一級の確かな技術が作り上げた個性豊かな短編映画5作品が上映される。

 

上映後、眞田康平監督、山元環監督、板橋基之監督、岡本未樹子監督、川上信也監督が登壇。それぞれの作品にかけた思い等を語った。

 

 

『サヨナラ家族』…

1年前、目の前で突然父を亡くした洋平。その事実をいまだ受け止めきれない彼は、妊娠中の妻を残して一周忌のため実家に帰省する。母は父がふっと帰ってくるような気がすると仏壇に話しかけ、妹も自分なりの方法で父の死を受け止めようとしていた。それがどうしても納得できず困惑する洋平に、不思議な現象が起こり始める。主演は『カナリア』の石田法嗣さん。

 

手掛けた眞田監督は、技巧的な制作に挑戦した。35mmフィルム作品という条件に対し「フィルム良さや質感を駆使して作りました。音楽がなく、効果音や不穏な音をベテランスタッフに作って頂き、設計しました」と明かす。攻め過ぎてしまい「上映環境によっては見えにくいシーンもある」と苦笑するが、映像の変化も狙っている。本作に対し「家族の話をしているようで、家族がそれぞれの死の受けとめ方をどうしていくか話していく。家族がバラバラになっていっても繋がりがある。それぞれの個人として何かを見つけていく」と思いを込めた。

 

『うちうちの面達(つらたち)は。』…

鎌田家にある奇妙な出来事が起きる。2週間前に夫婦ゲンカして以来、ママが姿を消してしまったのだ。しかし13歳の浩次朗だけは、ママの居所を知っていた。実はママはずっと家の中にいて、家族にバレないように浩次朗が手助けしているのだ。家族が家にいない日中だけがママのくつろげる時間だったが、ある日、パパが突然帰ってきてしまい……。浩次朗を『クロユリ団地』の田中奏生さん、両親を田口浩正さんと濱田マリさんがそれぞれ演じる。

 

手掛けた山元監督は、キャスティングにあたり「濱田マリさんが最後に思い浮かびました」と告白。濱田マリさんの趣味を偶然にも映画で初めて活かせており「本人も反応が良かった」と喜んだ。編集スタッフからは「ラストはホラーか?」と声があったが「やりたかった展開で悩みながらも挑戦的にできました」と満足している。

 

『くもり ときどき 晴れ』…

母と暮らす晴子のもとに1通の手紙が届く。それは25年前に母と離婚して生き別れた父の生活保護扶養照会だった。家族の中で自分にだけは優しかった父に会いに行くことにした晴子は、25年ぶりの父の姿に、扶養すべきか否か揺れ動く。出演はMEGUMIさん、浅田美代子さん、水橋研二さん。

 

手掛けた板橋監督は、ロングカットを取り入れているが「仕事で長編ドキュメンタリーを手掛けているので、自然な流れですね」と冷静に話す。ラストシーンが興味深くなっており「私の母親も同様で、真似てみました。日常的ですね」と明かした。

 

『はずれ家族のサーヤ』…

祖母と2人きりで暮らす小学3年生の沙綾。恋人との生活を選んで家を出た母親は、時折、父親の違う弟・光希を連れて会いに来る。沙綾は弟のことが大好きだが、両親と一緒に暮らせる彼をうらやましくも思っていた。そんなある日、沙綾は学校帰りの公園でおもちゃ売りの男から古い木箱を買う。何の変哲もないその箱には、不思議な力が宿っており……。『義母と娘のブルース』の子役・横溝菜帆さんが主演を務め、『』の黒川芽以さんが共演。

 

手掛けた岡本監督は、子役の横溝菜帆さんについて「オーディションで演技を見て選びました」と話す。30分の作品という条件に対し「新たな大人が登場すると話が膨らんでしまう。子役の気持ちに寄り添った撮影は最初から変わっていない」と納得している。「お母さんの好きな人と子どもの関係を書いてみました」と解説した。

 

『最後の審判』…

東京美術大学の受験に挑む稲葉は浪人5年目で、今年を最後の挑戦にしようと決めていた。2日間で完成させる人物着彩の試験に臨む受験生たちの前に、開始時間直前になって独特な風貌の初音が現れる。初音はとてつもない画力で他者を圧倒し、稲葉も彼女を意識するあまり自分のペースを見失ってしまう。怒りに震える稲葉は、初音に声をかけ彼女の圧倒的画力の秘密を聞き出す。初音の画力は、路上で似顔絵を描いてきた中で培われたものだった。

 

手掛けた川上監督は、本作について「2人のキャラクターのぶつかり合いに絞りました」と説く。主人公がカメラ目線で話すシーンがあるが「自意識過剰を表現するのに合っている手法。受験会場は静かなので、喋っている人がいると、より際立って見える」と受けとめている。35mmフィルムを用いた撮影について「若さや勢いを表現するために手持ちカメラで進めていきました。制約もあり、ほぼ1テイクで進めていきました。ほとんどテストもなく2人の素のままを捉え、その勢いがフィルムに定着しました」と自身のある出来上がりとなった。

 

若手映画作家育成プロジェクト ndjc2018」は、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で公開中。

 

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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