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交通事故の加害者家族が被害者遺族と共同生活をしていく『FEAST-狂宴-』がいよいよ劇場公開!

2024年2月26日

©CORYRIGHT 2022. ALL RIGHTS RESERVED.

 

奇妙な共同生活をしていた交通事故の加害者家族と被害者家族が、刑期を終えた家族を迎える宴をめぐって平穏さを失っていく『FEAST-狂宴-』が3月1日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『FEAST-狂宴-』は、交通死亡事故の加害者家族が被害者遺族を使用人として雇ったことから始まった奇妙な共同生活を描いたドラマ。交通事故を起こした息子の罪を被って服役していた家族の長が出所することになり、帰還を祝う宴の準備が進められていた。父親が収監されている間、妻と息子は協力しあって家族と家計を守り、事故で亡くなった男の妻子を使用人として雇い入れ面倒を見ていた。しかし宴の日が近づくにつれて後ろめたさと悲しみが再浮上し、平穏が掻き乱されていく。

 

本作は、『ローサは密告された』『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』等フィリピン社会の暗部をえぐる社会派作品で高く評価されてきたブリランテ・メンドーサ監督が手掛けた。主演は、フィリピンの国民的ドラマ「プロビンシャノ」で人気を集めたココ・マルティンが務め、共演はジャクリン・ホセ、グラディス・レイエス、リト・ラピッドらが揃った。

 

©CORYRIGHT 2022. ALL RIGHTS RESERVED.

 

映画『FEAST-狂宴-』は、3月1日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や心斎橋のシネマート心斎橋、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

日本でもコンスタントに新作が公開されている、フィリピンの鬼才とも呼ばれるブリランテ・メンドーサ監督。サスペンスやクライム作品を多く手掛けており、映画ファンである人ほどに、本作も同様の路線かと思っていたら、裏切られる!?裏切られない!?と作品の捉え方が多様になりそうだ。『ローサは密告された』の作中で象徴的ににレオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』が映し出されるように、フィリピンの宗教はキリスト教・カトリックが多くを占めており、本作においても各章の最初に聖書の一節が映し出されていく。資料によると、監督自身は無宗教のようだが、スピリチュアルな人間であることは認めており、慈悲や優しさが込められているようでもある。運が悪かった、としか言いようがない交通事故によって加害者と被害者に分かれ、それぞれに家族が存在し、恨みと罪悪感、拭いきれない喪失感と良心の呵責がせめぎ合っていく。相容れないお互いの気持ちが繋がることは決してないのだろうけども、奇妙な共同生活は始まった。観客は映し出される表情の裏側を読み取ろうとする。そして、次の瞬間には何かが起こるのだろうか、と察していく。だが、そこにあなたが期待した出来事が起こるだろうか。メンドーサ監督作品の奥深さを知ることに期待したい。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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