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老いてもなお美しく生きていくバーテンダーの半生を描いた『YUKIGUNI』渡辺智史監督を迎え舞台挨拶開催!

2019年4月7日

日本最高齢バーテンダーである井山計一さんの半生を描いたドキュメンタリー『YUKIGUNI』が関西の劇場でも公開中。4月7日(日)には、大阪・十三の第七藝術劇場に渡辺智史監督を迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『YUKIGUNI』は、スタンダードカクテルとして広く親しまれる「雪国」を生み出し、大正から昭和、平成を生きてきた日本最高齢の現役バーテンダーである井山計一さんの半生を描くドキュメンタリー。大正15年に山形県酒田市に生まれ、戦後の混沌とした時代の中でバーテンダーとしての腕を磨いた井山は、昭和34年、壽屋(サントリーの前身)主催の全日本ホーム・カクテル・コンクールに「雪国」を出品し、グランプリを受賞。「雪国」は日本各地のバーテンダーに愛され、作られ続け、いつしかスタンダードカクテルとして知られるようになる。故郷の酒田市で92歳のいまもなお現役バーテンダーとして働く井山の半生や、撮影中に妻を亡くした井山が、それをきっかけに家族との絆を取り戻していく姿、また誕生から60年を迎える「雪国」の秘話などをつまびらかにし、激動の時代を経ても古びない「美しさ」や「愛おしさ」とは何かを描き出す。ナレーションは小林薫さんが務める。

 

上映前に、渡辺智史監督が登壇。大阪のお客様に向け、Barへの思いを込めた舞台挨拶となった。

 

6年前に井山さんのお店を訪れた渡辺監督は、60年近く前に出来たカクテルを出され、半世紀以上前の記憶を昨日のように語る井山さんの姿を見て「いつか映画で撮りたいな」と構想。3年前から撮影を始め、昨年でようやく本作が完成。「山形県の港町の一角でずっとお店をやっていらっしゃった井山さんの人生を通して描いている」と解説した。作中には大阪の方も登場しており「大阪から酒田に飲みに来られたお客様やBar UKの荒川英二さんも登場します。様々なご縁により、関西と山形が出会って出来上がった」と感謝を伝えていく。様々な方が本作を鑑賞しており、井山さんのお店は土日が入れなくなっている状態が続いており「井山さんが体調を気遣いながらお店をやっている状況です」と報告。「映画の力は凄いな」と監督した本人も驚くばかり。「60年前のカクテルだけど、全然古びていない。スタンダード・カクテルが持つ魅力には、時代や世代を超えていく力がある」と力説する。

 

超高齢社会を迎えた現在、奥様と2人で生涯現役でずっと働いてきた井山さんについて、渡辺監督は「仕事一筋、生涯現役を貫き働いてきた方。生涯現役で働くことの魅力がある」と受けとめた。本作を制作するにあたっても「老いてもなお美しく生きていくバーテンダーの井山さんの姿を見て、自分も歳をとっても何かできるんじゃないかと思って頂けたら」と思いを込めている。ご覧になるお客様に向けて「鑑賞後は、お近くのBarに行ったり、パンフレットから山形を知ってもらったりして頂けたら」と願い、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『YUKIGUNI』は、大阪・十三の第七藝術劇場、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・元町の元町映画館で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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