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ラストは、心に穴が開いた感覚になりました…『空の瞳とカタツムリ』縄田かのんさんと中神円さんを迎え、舞台挨拶開催!

2019年4月6日

傷つけあうことでしか互いの思いを確かめることができない男女4人の愛と性の軌跡を描き出す『空の瞳とカタツムリ』が、4月6日(土)より関西の劇場でも公開。上映初日には、縄田かのんさんと中神円さんを迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『空の瞳とカタツムリ』は、雌雄同体のカタツムリのように男でも女でもない心を持てあましながら絡みあう4人の男女を描いたドラマ。岡崎夢鹿は消えることのない虚無感を埋めるため、男となら誰とでも寝る。しかし、一度寝た男とは二度と寝なることはない。夢鹿の美大時代からの友人である高野十百子は極度の潔癖症で性を拒絶し、夢鹿にしか触れることができない。そして、2人の友人である吉田貴也は夢鹿への思いを捨てきれずにいた。学生時代から仲のよかった3人だったが、そのバランスは長い年月を経て少しずつ崩れていった。夢鹿に紹介され、ピンク映画館でアルバイトを始めた十百子は行動療法のような毎日に鬱屈していく。映画館に出入りする大友鏡一は満たされない思いを抱える十百子への思いを募らせていく…

 

上映後、縄田かのんさんと中神円さんが登壇。大変な撮影の日々を懐かしみながら挨拶を行った。

 

本作の制作は、 2016年の夏に開催された脚本家・映画監督の荒井晴彦さんによる『空の瞳とカタツムリ』の原作になった物語を題材に使ったワークショップに由来する。中神さんは、本作とは違い、夢鹿役側を割り当てられていた。映画化にあたり、夢鹿役は縄田さんが決まったが、ワークショップでは十百子役が決まらず。再度オーディションを受け、改めて、中神さんが演じることに決まった。中神さんは「ワークショップでは、夢鹿役が向いていると考え、振り分けられていたはず。普段は強い人間に見えていたかもしれない」と感じていたが、自身について「本当は、十百子に近い性格。それをオーディションでは斎藤監督に見破られました」と告白。縄田さんは「他の参加者は、脚本を読んで、十百子に弱いイメージを持って挑んだ方が多かった。円ちゃんが強情に相対してくれた」とオーディションを楽しんだ。「十百子は弱く見えても、夢鹿を凌駕していく強さを持っている人間。円ちゃんの強さが上手く表現された」と満足している。

 

役作りにあたり、中神さんは、撮影現場に入る前から日頃の習慣から潔癖症を取り入れていった。「潔癖症は自分に課したルールであり、普段の自分とは正反対」と困ったが「脚本の荒井美早さんが過去に潔癖症の時期があった」と知り、そのエピソードを取り入れていく。縄田さんは手先が不器用だと明かしながらも「自宅でコラージュ作りを練習していました」とお互いに励んでいった。

 

斎藤監督は、1シーンで10カット以上は撮っており、カメラを回さず何度もテストを実施する。さらに、10日間の撮影前には2日間のリハーサルも行った。朝から晩までの撮影となり、縄田さんは一度は終電を逃しながらも「濃い10日間でしたね」と振りかえる。撮影期間中はモニターを一切見られず、湯布院映画祭で初めて観た中神さんは「自分達が動いている映像を客観的に観ようとしていたが、最後のシーンでは十百子の気持ちに戻ってしまい、胸を撃たれ泣き崩れました」と打ち明けた。縄田さんも「心に穴が開いた感覚になりました」と印象に残っている。

 

最後に、中神さんは「直接ご感想を聞ける良い機会だと思いますので、上映後にお話をお聞かせ頂けたら」とお客さんにお願いしていく。縄田さんは「4人のキャラクターの誰かが心に刺さるものがあったはず。この作品を通して、心のお土産を渡せたら幸せです」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『空の瞳とカタツムリ』は、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで公開中。また、京都・出町柳の出町座と神戸・元町の元町映画館でも近日公開予定。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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