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豪華ゲストを迎え、おおさかシネマフェスティバル2019授賞式開催!

2019年3月3日

大阪の映画ファンのための映画祭「2019」が、3月3日(日)に大阪・堂島のホテル エルセラーン大阪で開催。豪華ゲストの登壇による表彰式が行われた。

 

おおさかシネマフェスティバル」は、1976年に大阪・中之島の関電ホールで「第1回映画ファンのための映画まつり」としてスタート。 関西在住の映画ファンが選ぶ前年度の邦・洋画ベストテンと個人賞を表彰するイベントで、受賞者の映画人と映画ファンが、 大阪でスキンシップを図る映画祭として多くのファンに愛され、親しまれてきた。 第25回(2000年)で「映画まつり」の灯は一度消えたが、2006年に「」として復活し毎年開催している。選考対象となる映画は、大阪で2017年12月21日から2018年12月20日までに公開された作品。年間200本以上の映画を鑑賞した関西の映画ファンによる投票を基に、選考会を開き「ベストテン」と「個人賞」を決定した。

 

まず、総合プロデューサーの大森一樹さんは、本映画祭について「『『暗くなるまで待てない!』という自主映画を100万円程度で作り、何も賞を貰えないので、自分達で映画祭を作りました」と明かす。当時、35mmフィルムを三越劇場で上映し大変だったが、半世紀を経て『カメラを止めるな!』が300万円で制作され大ヒットしたこと受けとめ「一番嬉しかった。『カメラを止めるな!』スタッフが我々の夢を叶えてくれました」と喜び、感極まる挨拶となった。

 

授賞式では、まず、今後を期待される、大阪・関西拠点に映画制作活動する若い層を激励するワイルドバンチ賞が『カメラを止めるな!』(上田慎一郎監督)に送られた。作品を代表してどんぐり(笹原芳子)さんが登壇。大阪市内出身のどんぐりさんは、ワークショップに申し込み、オーディションで選ばれ本作に出演。「撮り終わってから、自分の名前が残る作品が1本出来た。エンドロールに名前が出るなぁ」と撮影当時を振り返る。最後に、河童のモノマネを披露し壇上を賑わせていった。

 

新人監督賞は、『鈴木家の嘘』の野尻克己監督。野尻監督は「嬉しいです」と素直に喜びながら、重いテーマがある本作について「笑って頂けることも重要です」と念を押した。

 

音楽賞は、『寝ても覚めても』のtofubeatsさん。LIVEのため欠席となったが「私にとって初の映画音楽となったこの作品、試行錯誤を経て仕上がった音楽に対して皆様がどう感じるか不安でいっぱいでしたが、こうして賞をいただけてとても嬉しく思います。作品を通じて私の新しい部分を引き出してくださった監督やスタッフの皆様にも改めて感謝を申し伝えたく存じます。」とコメントを頂いた。

撮影賞は、『モリのいる場所』の月永雄太さん。新作撮影のため欠席となったが「ありがとうございます。観ていただけた方にはご存知の通り、虫や動物が多めの映画です。ひとえに監督はじめ、俳優陣や全てのスタッフのおかげですが、次回は虫や動物が映っていない映画でも呼んでいただけるよう頑張ります。生き物に優劣はありません、でも基本的に人間を撮ることが好きです」とコメントを寄せた。

 

脚本賞は、『菊とギロチン』『友罪』の瀬々敬久さん。映画監督が本業である瀬々さんは「脚本家ではないので、こういった場にそぐわないと思いつつも、ありがとうございます」と恐縮。30年も構想していた本作について「大正時代のアナーキストと女相撲、という実際には出会っていないが、映画の中で出会わせるという構想から撮った映画」と解説。当初は「青春映画というか、若いいい加減な奴らの話にしようと思っていた。東日本大震災を受け、関東大震災以降の日本のあり方と似てるなと思い、現代の危うい雰囲気を描こうと思い考えながら出来上がった」と述べる。最後に、大阪の映画ファンにむけて「学生時代は京都で過ごしましたので、映画祭の前身となる『映画ファンのための映画まつり』に馴染みがありました。関西の映画祭なので、この場所に立てて嬉しく思っています。また、いい映画を作ってこの場所に立ちたいと思いますので、その時はまた宜しくお願い致します」とメッセージを送った。

 

日本映画作品賞と監督賞は、『孤狼の血』の白石和彌監督。2部門受賞を受け、白石監督は「去年も頂いたので、ビックリ。去年は『彼女がその名を知らない鳥たち』は大阪が舞台なので受賞したのかなと思っていたら、今回は広島だったので、選んで頂けて光栄です」と喜びを表す。多様な作品を作り続けているが「両方とも私の作品です。ただ暴力を主題とした映画も大好きですし、一方では、『彼鳥』のような愛を描いてみたい、何でもやりたいです」と意欲を見せる。次回作は『麻雀放浪記2020』。「主人公の哲が2020年にタイムスリップしてきて全自動麻雀卓で麻雀をするという…この段階で怒られる感じなんですけど…若干炎上もしておりまして…哲を斎藤工さんが二十歳で道程という役で。その段階でどういう映画か理解して頂けると」と面白く紹介するが「皆に褒められるような映画にはならない」と漏らしていた。

 

新人女優賞は2名が受賞。まずは『菊とギロチン』『鈴木家の嘘』の木竜麻生さん。新潟県出身の木竜さんは、14歳の時に母親と東京に遊びに来ている時に、現在の事務所の方に声をかけて頂いた。「中学も高校も新潟にいるつもりだったので、待って頂いた。大学進学と同時に東京に出て来ました」と明かす。『菊とギロチン』では女相撲力士を演じ「大変だったが、12人の女力士の人達と稽古からずっと一緒に生活をしていたので、滅多にさせてもらえない経験をしたと感じています。今でも仲が良いので一緒にご飯を食べに行きます」と振り返った。

 

そして、『ごっこ』の平尾菜々花さん。女優のお仕事について「自分からやりたいと言いました。お母さんが事務所を探してくれてオーディションに通りました」と話す。本作が初めての演技だったが、台本を受け取り「台詞が多くてビックリしました」と振り返る。さらに、ゼネラルプロデューサーの芳賀正光さんが登壇し、本作について「親子ごっこです。僕が映画に携わった時は、映画がお蔵入りして上映できない時に相談を受けてラッシュを観て、平尾菜々花さんの演技が素晴らしい」と絶賛。さらに「映画の本筋は幼児虐待。『万引き家族』に似ている。なんとか復活させようということで、ブログに映画の素晴らしさを描いたら様々な方達から御支援頂いて、上映にこぎつけました」と劇場公開までの苦労を語った。

 

新人男優賞は『焼肉ドラゴン』の大谷亮平さん お仕事の都合で欠席だったが「『焼肉ドラゴン』という作品は題名だけ聞くとアクション、コメディーのように思いますが、家族愛を描いた感動できるとても素敵な映画です。僕が長い間活動していた韓国のキャストとも共演でき、とても思い入れの強い作品です。受賞できたことを力に変えて、これからも頑張っていきたいと思っています」とビデオレターが流された。

 

助演女優賞は『孤狼の血』の阿部純子さん。本作を鑑賞し「男達のハードボイルド、熱い戦いを観たので、私自身も熱い思いで劇場を出ました」とコメント。さらに「白石監督に育てて頂きました。監督は優しい方です」と監督に感謝の気持ちを伝えた。

 

助演男優賞は『孤狼の血』の松坂桃李さん。舞台公演中のため、メッセージを天野和人プロデューサーが代読「おおさかシネマフェスティバルに携わる関係者の皆様、ご来場の皆様、本日は舞台の仙台公演中のため大阪に向かえず、申し訳ありません。おおさかシネマフェスティバルでは『孤狼の血』がベストワン。これが何よりもうれしいです。泣ける映画、笑える映画、痛みを覚える映画、パワーをもらえる映画。色々な要素が詰まった『孤狼の血』を通して、僕自身も育てていただきました。何度言っても足りないぐらい感謝しています。ありがとうございます。初めての白石組は大阪が舞台で、通天閣が見える素敵な場所で、えげつないことをさせられました。今回の作品でもえげつないことをたくさんしました。それを助演男優賞という形で評価していただけたのであれば、これからも白石さんとはとことん、えげつないことをやっていきたいです。一つ一つ積み重ねて、いつかここに戻ってこられるよう、精進していきます。本日は本当にありがとうございました」。天野さんは「コンプライアンスが叫ばれている時に、地上波で観られないような、ヤンチャやえげつない作品を白石さんに撮ってもらおう」と本作を企画。白石監督について「『凶悪』を観て、人間の二面性を監督が重視して撮っていらっしゃる。”僕は役者さんを撮りたい”と仰ってくれたので、この監督に託すしかない」を太鼓判を押す。

 

主演女優賞は『生きてるだけで、愛。』の趣里さん。クラシックバレエを4歳からずっとやってきた趣里さんは「高校生の時にイギリスにバレエ留学していましたが、怪我で出来なくなってしまい、本作主人公の寧子みたいな何もしたくない時期はありました」と振り返る。「どうにか生きねばいけないと思い、大学受験し、もう一度バレエを活かせたらと思い、お芝居を始めました」と明かした。現在、劇作家の根本宗子さんによる舞台『クラッシャー女中』の稽古中であり、大阪でも公演予定。

 

主演男優賞は『孤狼の血』の役所広司さん。これまで様々な作品に出演しており、幅広い役柄を楽しんできた。元々は東京都千代田区役所に勤める公務員だったが、新聞で仲代達矢さんが主宰する「無名塾」の募集を見つけ、応募。沢山の受験者がいるなかで合格し、仲代さんの指導を受けてきた。「仲代さんのご自宅の庭先にある小さな稽古場に通いました。挨拶をちゃんとしろ、とか、先輩をたてなさい。台詞はちゃんと覚える。体を鍛えろ」と指導の日々を明かしていく。仲代さんが付けた芸名について「宴会の席でした。役所勤めでしたし、広司は本名で。仲代さんは工事にしたかったらしいですけど、勘弁してください」と本音を漏らすが「役どころが広いように」と込められた思いを語った。本映画祭(かつては「おおさか映画祭」)の受賞は『シャブ極道』以来であり「シャブが体質に合うという役でした。今度もそれに近いアウトローな役。大阪にはアウトローな役でしか呼んでもらえない」と漏らすが「台本読んだ時からワクワクしましたね。さらに監督が面白かった」と満足している。なお、監督の演出について「『カーッ』とタンを吐けと言われて。『いいタンをひとつ、お願いします』って。難しかったですね」と振り返りながら、感謝の気持ちを伝えていた。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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