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失敗が許されないハイテンションなワンカット撮影!『LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て』三上博史さんと宅間孝行監督を迎え舞台挨拶開催!

2019年1月19日

新宿・歌舞伎町のラブホテルを舞台にしたワンシチュエーションの密室群像ドラマ『LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て』が、1月18日(金)より全国の劇場で公開されている。1月19日(土)には、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田に三上博史さんと宅間孝行監督を迎えて舞台挨拶が開催された。

 

映画『LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て』は、歌舞伎町のラブホテルを舞台とする密室群像劇。ラブホテルという密室を舞台に、それぞれが互いの弱みを握る一方で、弱みを握られてもいる登場人物たちの思惑や立場が交錯し、物語が思わぬ方向へと転がっていく。歌舞伎町のラブホテル。警察官の間宮は部屋にビデオカメラを設置し、勤務中にもかかわらずデリヘル嬢・麗華との情事にふけっていた。そこへ間宮の妻で婦人警官の詩織が踏み込んできたことから事態は急転。取り乱した間宮が麗華を撃ち殺してしまい、死体処理にヤクの売人ウォンが呼ばれるが、麗華を捜しにデリヘル店のマネージャー・小泉もやってきて……

 

上映後に、三上博史さんと宅間孝行監督が登壇。一昨年に撮影を終えた本作について、三上さんは「いつ公開か楽しみに待っていました。ようやく皆さんに観てもらえて、ありがとうございます」と感謝を伝え、お客さんに反応を楽しんでいる。宅間監督は、本作の作風から「皆がモヤモヤしている状態の答え合わせが出来れば」と舞台挨拶に臨んだ。

 

1シチュエーションで長回しの作品である本作は、これまでの宅間監督作品とは違っており「演劇では泣ける作品が多かったですが、本作のような作品も好んでいます。タランティーノやガイ・リッチーの作品に1990年代は衝撃を受けていたので、トンがった作品に憧れていました」と明かし「ローバジェットならではの制約がない設定で作らせてもらいました」と解説。

 

宅間監督も「クソ野郎」と言い放つ役柄を演じた三上さんは「どこまでクソぶりを演じられるか心配していたが、心配及ばず、クソ野郎でしたね」と振り返った。これまでに様々な作品に出演しているが「この方式による撮影は初めて。1カットでこんなに長いのはやったことがない。普通、5秒もや10秒もあれば長い。何十分もあれば命がけ」と苦労する。通常の撮影はカメラが縦横無尽に動き、役者とカメラマンが助け合うが「今回は置きっぱなし。間のコントロール含め役者に委ねれられているので、やる気が湧く」と楽しんだ。なお、2週間のリハーサルを行い、3日間で撮影したが、宅間監督は「予備を含め5日間だけ抑えていたので、大変だった。失敗が許されない」と緊張の連続に。切羽詰まった状況で、三上さんも「真面目に向き合っていた。『1回しか出来ませんからね』と言われました。もう1度演じて、と言われたら出来るが、絶対テンションは下がりますよね。何が起きようが、テイク1は大事」と必死だった。

 

大変だった撮影を振り返り、三上さんは「とにかく長いカットが2つある。稽古をして場所も決まっているが、記憶がない」と告白。宅間監督が「伏線がいっぱいあるので、やらなければいけないことは沢山ある」とフォローすると、三上さんは「ハッと気づいたことがあったが、『やってたよ』と言われたこともあった。約束がいっぱいあるので」と思い出す。発言を受け、宅間監督は「本当はどうしても許されない1テイクもあった。技術スタッフも苦労したが、不味いことも起きていた」と打ち明け「三上さんが『もう一度はやらない』というので、僕らの間では語り草になっている。打開策として様々なアイデアが生まれた」と撮影現場の楽しさを語る。なお「実は、エンディングは3パターンぐらい撮っています。DVDに収録予定ですので、確認してください」と、ソフト販売にも期待を寄せた。

 

最後に、三上さんは「一人でも多くの方に観てもらいたい。小さな細やかな映画ですが、凄い絆の下で作られています。役者同士が助け合い、本番を乗り切ったので、一人でも多くの方に観てもらいたいです」とメッセージを伝える。宅間監督は「ローバジェットでクリエイティブの制約がない作品に意欲を以て、リスクを抱えながら取り組んでいる熱い男がおります」と伝え「こういう映画を応援して頂けると、様々なタイプの映画が世に出てくるチャンスになっていきます。応援して頂けると嬉しい限りです」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て』は、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、心斎橋のシネマート心斎橋、京都の T・ジョイ京都で上映中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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