父の墓をめぐって3世代の女性たちの思いが交錯していく『妻の愛、娘の時』が関西の劇場でもいよいよ公開!
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田舎にある父の墓を移動しようとしたことで巻き起こる騒動を通じて、3世代の女性がそれぞれの人生を見つめ直すさまが描かれる『妻の愛、娘の時』が関西の劇場でも9月15日(土)から公開される。
映画『妻の愛、娘の時』は、父の墓をめぐる3世代の女性それぞれの思いを、切実かつユーモラスに描いたヒューマンドラマ。母の死を看取った娘は、母を父と同じ墓に埋葬するため、田舎にある父の墓を移そうとする。しかし父の最初の妻から猛反対され、大きな波紋を巻き起こしていく…
本作は、『過ぎゆく時の中で』や『恋人たちの食卓』など、数多くの香港及び台湾映画に出演してきたアジアの大女優、シルヴィア・チャンが主演だけでなく監督も務めた。主人公の夫役で『青い凧』『春の惑い』の監督であるティエン・チュアンチュアンが出演しているほか、『空気人形』で日本映画にも参加しているリー・ピンビンが撮影を担当。第12回アジア・フィルム・アワードでは、主演女優賞と生涯貢献賞を獲得した。
映画『妻の愛、娘の時』は、9月15日(土)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田と京都・烏丸の京都シネマで公開。また、10月27日(土)から神戸・三宮のシネ・リーブル神戸でも公開予定。
父と母を同じ墓に入れたい…たったそれだけのことを実現したいだけなのに、蓋を開けてみると、実はやんごとなき事情が待ち構えていた。国は違えど、家族やお墓に関する問題は万国共通のようである。母親と娘の関係は、互いに理解できない事情があると、簡単にこじらせてしまう。だが、孫と祖母の場合、子育てというお互いに気をつけないといけない事象がない分、気兼ねなく話せる。本作においても、この2人が鍵となっており、シルヴィア・チャンは家族の関係について、熟考した上で本作を手掛けたのではないだろうか。
男性の視点になってみれば、そんなことを大ごとにするなと思ってもしまいかねない。だが、本作においては、主人公の夫が、妻を優しく見守っている。男にとっては相容れない部分が大いにあるとは思うが、事の顛末を静かに見つめ、来たる時に向け備えておきたい、と願うばかりである。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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