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かつて存在した「泣き屋」を通して女優の成長を描く!『見栄を張る』いよいよ関西で劇場公開!藤村明世監督に聞く!

2018年6月8日

(C)AKIYO FUJIMURA

 

女優として鳴かず飛ばずの見栄っ張りな主人公が、葬儀で参列者の涙を誘う“泣き屋“の仕事を通して、新たな1歩を踏み出していく姿を描く『見栄を張る』が関西の劇場で6月9日(土)より公開。今回、大阪での公開タイミングに本作を手掛けた藤村明世監督にインタビューを行った。

 

映画『見栄を張る』は、葬儀で参列者の涙を誘う「泣き屋」の仕事に就いた女性の奮闘を描いた人間ドラマ。28歳の売れない女優・絵梨子のもとに、疎遠にしていた姉の訃報が届く。葬儀に出席するため和歌山に帰郷した絵梨子は、姉が女手ひとつで育てていた息子・和馬を引き取ることを決意。そして和馬との生活のため、姉がやっていた「泣き屋」の仕事を、絵梨子も始めるのだが……

 

かつて存在した「泣き屋」という職業を描くことについて、藤村監督は悩みながらも、まずは「泣き屋」について調べようと思い、国会図書館に行って「泣き屋」の昔の資料を読み漁った。調べていくと、次第に「泣き屋が60年前までは実際に存在し、とても高尚な職業であり神秘的な存在だった」ことがわかり、ますます惹かれていった。映画にするにあたり、泣き屋の上司である花恵役の似鳥さんと話し合い、泣き屋像を作っていく。

 

脚本を練る段階や準備期間では大変なことは多々あったが「撮影に入ってしまえばチームワークが良かったこともあり、予想以上にスムーズに進んだ」と振り返った。2週間の撮影では一軒家を二つ借り、撮影合宿形式で楽しみつつ「特にクリスマスとお正月を大勢で過ごせたのは本当に幸せでした。皆さんは多分家族と過ごされたかったと思いますが・・・」と苦笑する。なお、撮影のほとんどを和歌山で行い「和歌山の皆様のご好意で、毎日美味しいご飯をいただけたり、バーベキューをしたり」と大変ながらも、食事の面でも恵まれたことを懐かしむ。

 

本作では和馬を演じた岡田篤哉君の演技は本当に上手く、皆を引っ張っているように感じる。藤村監督は、岡田君について「スタッフ一同驚くくらい頭が良かった。自身のこれまでの経験と役柄の心情を重ね合わせて演技をしている部分が垣間見えた時は、舌を巻いた」と感嘆し「とても根性と柔軟性のある俳優さん」だと太鼓判を押す。また、自主映画シーンで活躍している磯部鉄平さんと永井和男さんが助監督として本作に関わっている。今作が長編デビュー作である藤村監督にとっては「現場で演出がわからなくなった時は、お二人にいつも違う視点からのアドバイスをもらい、演出に反映させていました。お二人からは多くのことを学ばせて頂きました」と感謝しきれない存在。磯部さんについて「好きな映画も趣味や思考も少し似ているので、関西にいる自分の兄のような存在。いつも磯部さんのご活躍は嬉しいですし、刺激をもらっています」と称える。

 

なお、藤村監督は、是枝裕和監督が総合監修を務める『十年 Ten Years Japan』の一作「その空気は見えない」を手掛けた。今後も映画化したい企画がいくつかあり、プロットを書きながら「パラレルワールドと人魚とレコード屋が出てくる話を思いついている。いつかどんな形でも映画化出来たら」と未来に向かっている。

 

映画『見栄を張る』は、6月9日(土)より大阪・九条のシネ・ヌーヴォで公開。6月16日(土)からは神戸・元町の元町映画館でも公開予定。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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