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『タクシードライバー祗園太郎THE MOVIE すべての葛野郎に捧ぐ』劇場公開記念プレイベント シアターセブンで開催

2017年3月21日

4月1日(土)より大阪・十三のシアターセブンで映画『タクシードライバー祗園太郎THE MOVIE すべての葛野郎に捧ぐ』が公開される。3月20日(月・祝)に本上映に先駆けて、劇場公開記念プレイベントが開催された。

タクシードライバー祗園太郎THE MOVIE すべての葛野郎に捧ぐ』は、京都の人気劇団「ヨーロッパ企画」が贈る世界にたった一つの紙人形(ペープサート)映画。タクシードライバーの祗園太郎は、生まれも育ちも古都・京都。これまで一度も京都盆地から外に出たことはない。ある日、京都駅から美しい女性客を乗せた太郎は、テレビニュースでその女性が、祇園で製作される映画でヒロインを演じる女優だと知る。彼女に再会したい一心で地元キャストのオーディションを受け、見事合格。下見のために彼女とデートをすることに。そこで何者かに追われている外国人と出会い、祇園の老舗和菓子店「鍵善良房」のご主人に助けてもらう。ドタバタの中、映画はクランクインをするのだが、果たして映画は完成するのか。太郎の恋の行方は?そして外国人の正体は…?

今回、本作の脚本・編集・監督を担当したヨーロッパ企画の永野宗典さんをゲストに迎え、プレイベントが開催された。

最初に、本イベントが「祇園太郎」が何者なのかを説明するイベントであることを伝え、4部構成の充実したイベントであることが告げられ、来場者の楽しみが高まっていく。

第1部として、祇園太郎が映像化される前までについて永野さんが紹介した。元々、「祇園太郎」はヨーロッパ企画の永野さんと本多力さんがパーソナリティを務める『ヨーロッパ企画 永野・本多の劇的ラジオ』から誕生した企画。2010年1月から10月まで続いたラジオドラマから始まった。イベントでは初回放送分について流され、永野さんは「タクシーのドライバーさんに向けたラジオドラマを作ろう」と思っていたことを明かす。

ラジオドラマはシーズン2まで実施し、2010年10月まで放映された。その後、「『祇園太郎』を映像化しないか」という企画が立ち上がった。具体的には、NHKのワンセグ放送で放送されていたバラエティ番組『青山ワンセグ開発』に出場し、勝ち残るというものだった。永井さんは「ヨーロッパ企画の角田貴志によるペープサート(紙人形劇)から思いついた。ラジオドラマで培った世界観に共感したのか、番組内企画で勝ち残り、TV版20話が放送されることになった」と語る。
第2部では、TV版の映像を鑑賞しながら、祇園太郎について振り返った。永野さんは「映像化するにあたって、必ず京都の世界的な名所と、住んでみないとわからないローカルなスポット、京都で食べられるスイーツを取り入れる3つのコンセプトがありながら、お客さんの悩みを解決する」と作品の設定について述べた。

とはいえ、ラジオドラマ26本、TVでも43本も手掛けたこともあり、永野さん自身が灰になって燃え尽きたように感じた。そんな中、京都にいるプロデューサーから「京都祇園で映画を撮ってみないか」とオファーがあった。永野さんは「もちろんです」と即答したという。祇園を舞台に祇園太郎の映画をつくろうという動きになったことから、永野さんは「祇園を題材にして映画を撮るために、プロデューサーとシナリオハンティングのために祇園の街を勉強した。当初は怖がっていたが、実際に行ってみると、普通の街だと気付いた」と明かす。

第3部では、映画版の予告編を鑑賞しながら、映画完成当時のことを振り返った。作品自体は、2014年の春にクランクインし、11日間の撮影後、夏に完成した。タイトル内には「THE MOVIE」と付けられているが、永野さんは「作品自体が映画に関するお話であり、虚構である紙人形がさらに映画という虚構の中で存在しているという構造を以って製作した」と意図を明かした。

また、永野さんは祇園という土地について調べ「歴史があり文化が積み上がって完成された街という感じがした。同時に、祇園がゼロになる風景が頭に浮かんだ。祇園祭は、京都で疫病が流行し死者も多く出て荒廃した時に復興に向けて起こった祭り」だと分かった。作品について「街の人が立ち上がる話ならば、今まで5分では描き切れなかった街の人たちを描ける。TV版とは違うスケールで描けるのでは。忙しく飽きさせない56分になったので、スクリーンで観てほしい」と訴えた。

最後に第4部は、本作のために京都祇園の和菓子屋「鍵善良房」が作った「奇跡のしずく」と本作の前売り券特典である宇治茶の玉露ティーバッグ「祗園太郎のほんのきもち茶」が振る舞われたお茶会が開かれた。イベント参加者それぞれが和菓子とお茶を味わいながら、永野さんとの会話を楽しんだ。

映画『タクシードライバー祗園太郎THE MOVIE すべての葛野郎に捧ぐ』は2014年に祇園祭に合わせて開催された、路上で映画を上映する「祇園天幕映画祭」で初上映となった。その後、香港、ドイツ、韓国、アメリカといった海外の映画祭に出品し好評を得た。2017年を迎え東京で2週間上映、名古屋を経て、いよいよ関西での上映を迎える。大阪では、4月1日(土)より大阪・十三のシアターセブンで公開。4月1日(土)と4月2日(日)には 永野宗典監督を迎えて舞台挨拶が予定されている。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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