井浦新さんとアキラ100%による兄弟が長崎を舞台に父親を探す『こはく』がいよいよ関西の劇場でも公開!
(C)2018映画「こはく」製作委員会
長崎県でガラス細工工場を経営する弟と、無職で虚言癖を持つ兄のふたりが、ある時から生き別れの父を捜し、家族と愛を模索する様を描く『こはく』が7月12日(金)より関西の劇場でも公開される。
映画『こはく』は、兄弟が幼いころに突然姿を消した父を長崎の町で必死に捜し歩く姿を描いたヒューマンドラマ。長崎県に暮らす亮太は、幼いころに別れた父が営んでいたガラス細工の工場を受け継ぎ、なんとか毎日を送っていた。しかし、亮太自身も父と同じように離婚を経験し、子どもたちと会うことがかなわずにいた。ある日、亮太は定職に就くことなくブラブラした生活を送る兄の章一から、町で偶然父の姿を見かけたと告げられる。しかし、虚言癖がある兄の言葉を亮太はにわかに信じることができなかった。そんな折に現在の妻である友里恵から「お父さんになる自信、ある?」と妊娠を告げられた亮太は、自分が父のいない過去を引きずったまま生きていることに気づかされる…
本作では、井浦新が弟・亮太役、芸人のアキラ100%が本名の「大橋彰」名義で出演し兄・章一役をそれぞれ演じる。『ゆらり』の横尾初喜監督が手がけ、横尾監督の幼少期の実体験をベースに『きらきら眼鏡』の守口悠介が脚本を執筆した。
(C)2018映画「こはく」製作委員会
映画『こはく』は、7月12日(金)より、大阪・梅田のテアトル梅田、7月20日(土)より、京都・烏丸の京都シネマ、7月26日(金)より、神戸・三宮の神戸国際松竹で公開。
琥珀色。海の水と泥が混ざった色。夕焼けの色。思い出の色。これは、思い出を確かめにいく兄弟のお話。
本作はオープニング以降、中盤に差し掛かるまでBGMを一切使用していない。だが、その静けさはとても心地よく、後半に流れるアコースティックギターの音をより心に響かせ、彼らの孤独感を引き立てていた。
井浦新さんと大橋彰(アキラ100%)さんが作り上げる自然な空気感は本当に素晴らしく、二人は元々、血の繋がった兄弟なんじゃないかと思ってしまう。かたちの違う二人の孤独感が解消された瞬間は、涙なしには見られなかった。
思い出とは、記憶と思いが入り混じったひどく曖昧なもの。頭の中で流れる映像の真偽を確かめる術はない。そんなものに強く惹かれ、もがき苦しみ、心の拠り所にする人という生き物は、なんと脆くて愛しいだろう。
fromナカオカ
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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