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猫と謙虚に向き合い生活を共にすることを大事に描いた作品…『劇場版 ねこ物件』舞台挨拶開催!

2022年8月7日

猫付きシェアハウスを舞台に、猫と人とのつながりや新しい家族の形を描いたテレビドラマ「ねこ物件」の『劇場版 ねこ物件』が8月5日(金)より全国の劇場で公開中。8月7日(日)には、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマに、古川雄輝さん、長井短さん、綾部真弥監督、岩淵規プロデューサーを迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『劇場版 ねこ物件』…

2匹の猫と暮らす30歳の二星優斗。祖父の死をきっかけに始めた猫付きシェアハウス「二星ハイツ」には4人の同居人が暮らしていたが、それぞれ夢を追い新たなステージへと旅立っていった。不動産会社の有美からは二星ハイツの再開を促されるが、乗り気になれない優斗。そんな中、幼い頃に離ればなれになった弟の存在を思い出し、捜し出すことを決意する。その方法は、猫付きシェアハウスと自分の存在を全国にアピールして入居者を募ることだった。そんな優斗をサポートするべく、かつての入居者たちが帰ってくる。そしてある日、加納直人と名乗る入居希望者が現れるが…
主演の古川雄輝さんをはじめ、キャストにはテレビ版のメンバーが再結集。監督は『おいしい給食』シリーズの綾部真弥さんが務めた。

 

上映後、古川雄輝さん、長井短さん、綾部真弥監督、MCとして岩淵規プロデューサーが登壇。古川さんは「ドラマ版から始まり劇場版がようやく公開になり、嬉しい気持ちでいっぱいです」と感無量。長井さんは「大阪まで来ることが出来て嬉しいです。短い時間ですけども、楽しもう~♪」と独自のテンションで挨拶した。

 

今作の舞台裏話として、古川さんは、チャーがポテトチップスを食べそうになるシーンを挙げ「結構難しくて。元々、ポテチに猫は興味がないので、目の前に置いて、用意スタート、となっても、ベットの下に逃げちゃって…」と苦笑い。「そういう時は猫が大好きなチュールをつけてやりますが」と明かすが「ポテチの匂いが強烈だったのか、そこに居座ってくれなくて…」と一苦労。本作に出演している猫は、動物プロダクションが担当している猫以外は、家庭にいる猫であるため「ポテチを食べそうになるカットを撮るだけでも、実は物凄く時間がかかる大変な撮影なんです」と明かした。

 

不動産会社の有美を演じた長井さんは、運転免許を持っておらず「車に乗ってやってくる有美が台本上はあったので、そこは代わりに誰かが運転してくれないといけなくなるんです。一般的には同じ雰囲気の女性が有美の衣装を着てやってくれるんだろうな」と想定。そこで、MCを担っている岩淵プロデューサー指しながら「あの人なんですよ。びっくりしちゃって。私、こう見えてんのかな」と仰天。岩淵プロデューサーは「服は全部同じものを着させて頂いて。監督から『ヅラはどうしますか』と聞かれ、そこまでは要らないんじゃないか」と振り返る。綾部監督は「古川君を乗せて公園に行くことと夕陽をバックに帰っていくカットを撮ったんですけど、衣装は着て頂いて、肝心の頭はどうしようかと…用意する話もあったが、そこまでしなくても大丈夫だろう。運転を後ろ気味にしてガラスに近づかないように運転して頂いた」と説明。なお、岩淵プロデューサーは不動産会社の社長役も演じている。

 

ドラマと映画を通して、チャーとクロ、途中からタマの3匹の猫が中心になって出演しており、綾部監督は「クロは実は、その時々に応じて2匹で演じています。その猫が後ろを向いていて、振り返ってカットがかかったら別の猫になっている。よぉ~く見ると、つい1秒前のカットとは違う猫だった、入れ替わっていることが少しあります」と明かし「探して頂けるとおもしろいかな」と提案していく。猫の撮影は難しく、古川さんも「編集が効くのは、猫だけを撮っている時だけ。難しいのは猫3匹を並べること。喧嘩しちゃう場合もあります。この猫とこの猫は相性が良い、お座りしやすいのはこの猫。特徴がそれぞれ違うので3匹同じ場所にいさせて単独で撮るよりも3匹並んで、かつ、役者も入っているカットは一番難易度が高い」と説き「僕らも台詞を間違えるわけにはいかないので、そういうカットを注目しながら観て頂けると…」と注目ポイントを挙げる。さらに、台詞があり人も猫も居るのが難しく「動いている猫より、その場に居座っている猫が一番。寝てない限り居座ってくれない。ソファー下等に逃げるので。難易度の高いカットなんだ、って思いながら観てみると、おもしろいかもしれない」と提案していく。綾部監督からは「猫単独のカットは、キャストとは別の日に猫だけをじっくり撮る日にしていた。遊び場からジャンプする、縁側に走っていく。凄い勢いで走られると、カメラが認識できないので、なるべくゆっくり走ってもらう。餌を吊るすと凄い勢いで来ちゃうので、違う方法で」と試行錯誤する日々だった。

 

また、美味しいごはんが沢山登場する本作。長井さんは「より美味しく見せるために湯気を繊細に出しています。そこで、スタート直前までガンガン熱せられていた味噌汁もあります」と説明し「私はドラマ版では食べることがなかったので、美味しそうだなぁ、と見ていた」と羨ましかっった。本作の最後には、長井さんも食べるシーンがあり「食べてみたら、熱くて…よく平気な顔をして食べていたなぁ」とビックリ。「多分、皆ちょっとずつ我慢、熱っ、て隠しながら食べていたんじゃないかな」と推測した。すかさず、古川さんは「たぶん猫舌なだけだったんじゃないですか。そんなに熱くはない」と否定する。

 

今回、大阪での舞台挨拶となり、古川さんは大阪について「コロナ禍になって、来る機会が本当に減ってしまった」と嘆いていた。「その前までは、ファンイベントを毎年やっていました。大阪でやって仕事納め。12月頃に毎年やっていました。東京、名古屋などでやって、大阪でクリスマスにやって、スタッフさんが皆で麻雀をやって仕事納め。コロナ禍になって無くなってしまったので、大阪に行くと聞くと、記憶が甦ってきていますね」と懐かしい。長井さんは「舞台の地方公演で大阪に来ることがあるんです。5,6年前に、梅芸で本番やって、当時、打ち上げがある世界だったので、打ち上げを無茶苦茶やったんです」と振り返り「次の日、ホテルのチェックアウト迄に起きれるわけなく寝過ごして、ホテルの延長料金を実費でかつ、予定の新幹線にも乗れないですから、帰りの新幹線代も実費で。辛かったですね、アレは」と告白。とはいえ「楽しくて燥いじゃうんですよね、大阪は」と気に入っている。綾部監督は「高校生の時からよく来ていた。僕は空手をやっていた。大阪に総本部がある正道会館の門下生で、高校生から大阪府立体育会館、現在のエディオンアリーナで試合をしていたんですね。22歳までずっと大阪に試合で来ていた。僕にとっては格闘技の場所だった」と打ち明ける。映画業界に入り、監督になってからは、大阪アジアン映画祭で自分の作品が上映される機会に来阪。「1泊2日の予定だったんですが、好きな大阪にいられるので、僕も実費で1週間以上を実費で大阪で遊んでいました。コロナ禍前だったので、自由に遊べて楽しかったな。インバウンドでミナミも物凄く盛り上がっていた」と満喫し「また、皆で遊んだり食べたり話したり出来るといいな」と願っていた。

 

猫と過ごすことは癒しの時間として描かれている本作。古川さんは、ウィスキーが好きで「仕事が終わって良いパフォーマンスが出来た日は良いお酒を吞んで。ロックからソーダ割、眠くなったら寝る」と自身の癒しを語る。長井さんもお酒が好きで「最近は白酒 (バイチュー)にハマって。中国のお酒なんですけど、ストレートで呑む。ピンキリで1杯500円もあれば、4800円、7200円…4800円は高過ぎるから最初は我慢しているんですけど、500円は質が悪いから、どんどん酔っぱらって、最後は『1発いっちゃおう』と4800円。そして、後悔するのが癒しですね」と満喫している。さらに、綾部監督もウィスキーが好きで「古川君に聞いたら、家をちょっとしたバーみたいにしている」と指摘。古川さんは「バーみたいにしている、というよりも、必然となりまして。ファンの方が沢山ウィスキーを下さって。お店よりもウィスキーの数が…」と打ち明けていく。綾部監督は驚きながら「僕も部屋にストックしているんですね。今日はスタンダードないつもの、今日は良いことあったから美味しいヤツ」と自身の趣向を紹介する。なお、今回の撮影中には、細田佳央太さんの二十歳の誕生日、古川さんの34歳の誕生日を迎えており、スタッフは、お酒をプレゼントしようと用意していた。スタッフから聞いた監督は「俺も買わないわけにはいかないな」と思い「(細田さんには)スタンダードなものを渡して、古川君には佳央太の倍のヤツにしました。流石に佳央太と同じものじゃ駄目だな。古川君はスコッチが好きだけどバーボンあげたんだよな」と回想。即座に、古川さんは「バーボンも大好きです。ありがとうございます」と感謝しながら「細田君はまだお酒が分からないだろうな、と思って、香水にしました。大人だから良い匂いが溢れるように」と思いを込めていた。

 

最後に、綾部監督は「猫を擬人化して猫の気持ちを代弁するような映画にしたくない。猫と部屋で暮らし生活を共にすることを大事に描いてきました」と本作の意図を語っていく。「動物映画としては珍しいタイプですが、夫々の方が、猫とは何か、と思いがあるので、我々も一生懸命に猫ちゃん達と寄り添いながら撮影してきました。その猫達とイベントで会うことがあるんですが、元気にしていると本当に嬉しくて。チャーがぼっちゃり太っていて元気になっている姿を見るのが愛おしいですね」と愛情を込め「作品自体も猫と同じように、ある時にふと思い出して、皆さんの中で大切にして心の片隅に置いて頂けると良いな」と願っていた。長井さんは「今まで生きてきて、猫と関わることがなかった。やっと絡めて嬉しかった」と喜んでおり「ここからもっと仲良くなれたら良いな。猫のことをもっと知っていきたいな。いきなり猫が好きと云うと猫も嫌だと思うので、謙虚に向き合っていきたい」と語る。古川さんは「僕は2匹飼っていますので、自分にとっては家族というか。主人公と一緒ですね。なくてはならない存在。猫好きの感覚としては、お世話させて頂いている感覚ですね。お猫様ですので。面倒を見させて頂いている。さわるものではなくみさせて頂いている」と猫とのスタンスを語り、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『劇場版 ねこ物件』は、全国の劇場で上映中。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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