保守的な街で書店を開いた女性描く『マイ・ブックショップ』がいよいよ関西の劇場で公開!
C)2017 Green Films AIE, Diagonal Televisio SLU, A Contracorriente Films SL, Zephyr Films The Bookshop Ltd.
保守的な町で書店を開いたひとりの女性が、かけがえのない本との出会いの素晴らしさを伝える姿を描く『マイ・ブックショップ』が、3月29日(金)より関西の劇場でも公開される。
映画『マイ・ブックショップ』は、イギリスの文学賞ブッカー賞を受賞したペネロピ・フィッツジェラルドの小説を映画化。1959年イギリスのある海岸地方の町。書店が1軒もないこの町でフローレンスは戦争で亡くなった夫との夢だった書店を開業しようとする。しかし、保守的なこの町では女性の開業はまだ一般的ではなく、フローレンスの行動は住民たちに冷ややかに迎えられる。40年以上も自宅に引きこもり、ただ本を読むだけの毎日を過ごしていた老紳士と出会ったフローレンスは、老紳士に支えられ、書店を軌道に乗せる。そんな中、彼女をよく思わない地元の有力者夫人が書店をつぶそうと画策していた…
本作は、フィッツジェラルドの小説を『死ぬまでにしたい10のこと』『しあわせへのまわり道』のイザベル・コイシェ監督が映画化。フローレンス役を『メリー・ポピンズ リターンズ』のエミリー・モーティマーが演じ、『しあわせへのまわり道』のパトリシア・クラークソン、『ラブ・アクチュアリー』のビル・ナイらが顔をそろえる。
映画『マイ・ブックショップ』は、3月29日(金)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、3月30日(土)より、京都・烏丸の京都シネマで公開。また、神戸・元町の元町映画館や尼崎・塚口の塚口サンサン劇場でも近日公開予定。
本屋さんに入って、店内に並ぶ沢山の本を見てワクワクしたことがある…図書館の中で一面の本棚に囲まれて、さあどれから読もう?と困ってしまったことがある…本を開いてページの匂いを嗅いで、幸せな気分になったことがある…そんな心当たりがある人なら、この映画を観てきっと胸が熱くなる!
イギリスの片田舎、吹く風が少し肌寒そうな海辺に老紳士ビル・ナイがたたずむ姿は、英文学の1シーンのように美しい。美しいブリティッシュ英語のナレーションで昔話のように物語を話すのは、イギリスのある大女優。イギリス好きな者の心をくすぐる気品があちこちに満ちている。
世の中は、自分に優しくしてくれる人ばかりじゃない。大好きな本のために一生懸命に頑張っていれば、いつか報われる…とは限らない。そんな少し切ない現実も描きつつ、とても暖かい余韻を残す。本を愛する全ての人に、このビターで優しい映画が届いてほしい。
fromNZ2.0@エヌゼット
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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