日露戦争中の日本人看護師とロシア兵将校の恋を描く『ソローキンの見た桜』がいよいよ劇場公開!
(C)ソローキンの見た桜製作委員会2019
日露戦争のさなか、愛媛県松山に設置された捕虜収容所で運命的に出会ってしまった日本人看護師とロシア人将校、彼らを中心に歴史に翻弄される人々が織りなす人間模様を描く『ソローキンの見た桜』が、3月22日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ソローキンの見た桜』は、日露戦争中の愛媛・松山ロシア兵捕虜収容所を舞台に、日本人女性とロシア軍少尉の恋を描く人間ドラマ。2108年、駆け出しのテレビディレクター桜子はロシア兵墓地の取材のためロシアに行くことになっていたが、その仕事に興味を持てずにいた。日露戦争時の愛媛県松山市、ロシア兵捕虜収容所。傷ついたロシア兵捕虜の看護にあたっていたゆいは戦争で兄を亡くしたため、心の奥底ではロシア兵を許すことができなかった。そんな思いを知ったロシア軍少尉ソローキンは、いつかその悲しみを取り除いてあげたいと心から願っていた。やがて2人は敵国同士という立場でありながら、次第に惹かれあっていく…
本作は、第1回日本放送文化大賞ラジオ部門でグランプリに輝いたラジオドラマ「松山ロシア人捕虜収容所外伝 ソローキンの見た桜」を実写映画化した作品。『孤狼の血』の阿部純子さんが日露戦争時のゆい、現代の桜子というヒロイン2役を、捕虜収容所長役をイッセー尾形さん、実在の人物・ボイスマン大佐役をアレクサンドル・ドモガロフが演じ、山本陽子さんや斎藤工さんらが脇を固める。
映画『ソローキンの見た桜』は、3月22日(金)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、難波のなんばパークスシネマ、京都のMOVIX京都、神戸・三宮の神戸国際松竹をはじめ、全国の劇場で公開。
とても心地よい作品だ。日本とロシアの双方の歴史と人々に敬意を払い、二つの国への愛情にあふれている。戦争で引き裂かれた、祖国の異なる恋人たち。純愛悲恋を描いた定番の物語だが、とても丁寧で誠実なつくりに引き込まれていく。
主演の阿部純子さんが放つ美しさも大きな魅力。本作を作り上げたスタッフが、この女優を美しく撮ろうと、より綺麗に見える角度、光の当て方等に拘って作られたことがヒシヒシと伝わってくる。ソローキンでなくとも、恋してしまいそうな可憐さだ。この美貌が物語の説得力を支える力のひとつであるのは間違いない。
出来るなら、今春の桜が咲いている頃に本作を観に行って頂きたい。そして、その後にゆっくりと桜並木を散歩して、満開の桜を見上げながら、100年前の日本とロシアの人々のことを想ってみてはいかがだろうか。
これからも、桜の咲く季節に何度も観たくなる映画に、またひとつ出会うことが出来た。
fromNZ2.0@エヌゼット
- キネ坊主
- 映画ライター
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- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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