大阪の下町で小さな法律事務所を営む同性婚の弁護士の日々の活動を追う『愛と法』が大阪から劇場公開!
大阪で法律事務所を営む弁護士夫夫(ふうふ)に焦点を当てたドキュメンタリー『愛と法』が全国に先駆け、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で、9月22日(土)より劇場公開される。
映画『愛と法』は、大阪の下町で法律事務所を営む弁護士の男性カップルを追ったドキュメンタリー。弁護士のカズとフミは大阪で「なんもり法律事務所」を経営している。2人は仕事だけでなく、プライベートでもパートナーであり、2011年にみんなに祝福されて結婚式を挙げた。そんな2人のもとには、セクシュアル・マイノリティ、養護が必要な子どもたち、戸籍を持てずにいる人、「君が代不起立」で処分された先生、作品が罪に問われたアーティストなど、さまざまな困っている人たちが全国から相談にやってくる。そしてある日、突然居場所を失くしてしまった少年カズマくんが2人の家にやってくる。居候として一緒に生活することとなったカズマくん、そしてカズとフミの3人による新しい生活がスタートした…
本作の監督はロンドンを拠点に世界各国で映像を制作してきた戸田ひかるさん。数々の海外映画祭にて『of Love & Law』のタイトルで上映され、2017年の第30回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門作品賞を受賞し、第42回香港国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞受賞作品である。
映画『愛と法』は、9月22日(土)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、10月6日(土)より京都・烏丸の京都シネマ、10月20日(土)より兵庫・豊岡の豊岡劇場、12月15日(土)より神戸・元町の元町映画館で上映予定。
カズとフミ、2人の弁護士は、社会のマイノリティを守っている。自ら活動していることが偶然少数派だった、或いは過酷な環境を選択せざるを得なかったとしても、個々人の主義主張を尊重し、決して罪ではないことを訴えてきた。本作に登場する人物達はみな確固たるアイデンティティを以て動いており、観ているこちら側が勇気を貰える。
作品の冒頭で、印象に残った一節があった。とある少数派の若者達については自殺率が高いという調査結果だ。その因果関係は定かではないが、社会における苦しさの行きつく先だろうか。ふと、私が中学生の時に、自殺した後輩のことを思い出した。その後輩がそれにあたるかは定かではないが、苦しみを軽やかに笑いながら、多様なマイノリティを受け容れる社会があれば変わっていたのかなと思う。皆が生きやすくなる社会を作っていく一翼を2人が担っていくはずた…
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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