ウクライナで芸術を愛し自由を求めた革命家の物語『OXANA/裸の革命家・オクサナ』がいよいよ劇場公開!
©2024 – Rectangle Productions – 2.4.7. Films – Hero Squared – France 3 Cinema – Tabor Ltd
フェミニスト活動団体”FEMEN”の共同創設者である、オクサナ・シャチコの生涯に着想を得た『OXANA/裸の革命家・オクサナ』が5月22日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『OXANA/裸の革命家・オクサナ』は、ウクライナのフェミニスト活動団体”FEMEN”の共同創設者として知られる活動家で芸術家のオクサナ・シャチコの人生を描いたドラマ。2002年、ウクライナ西部の街フメリニツキー。アルコール依存症の父とそれを献身的に支える母と暮らすオクサナはイコン画を描いて家計を支えていたが、教会からの不当な扱いや根深い男尊女卑がはびこる社会の理不尽に耐えきれなくなり家を飛び出す。2008年、街頭討論で出会った仲間たちとともにフェミニスト活動団体”FEMEN”を結成した彼女は、翌年、首都キーウでセックスツーリズム撲滅を訴えるなかで注目を集めるために上半身を脱ぎ、自らの身体を“戦闘服”として使う表現にたどり着く。やがて活動は国境を越え、22011年にはベラルーシでルカシェンコ政権に抗議して拘束と拷問を受け、モスクワではプーチンへの抗議で重傷を負う。FEMENに対する監視と弾圧が激化するなか、オクサナは政治難民としてパリへ逃れる決断を迫られる。
本作の監督は、2020年の長編デビュー作『スラローム 少女の凍てつく心』でスポーツ界における性暴力の実態を描き国際的に注目を集めたフランスの新鋭シャルレーヌ・ファビエ。戦禍のウクライナでオンラインオーディションにより見いだされたアルビーナ・コルジがオクサナ役で映画初主演を務めた。

©2024 – Rectangle Productions – 2.4.7. Films – Hero Squared – France 3 Cinema – Tabor Ltd
映画『OXANA/裸の革命家・オクサナ』は、5月22日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都や兵庫・神戸のシネ・リーブル神戸で公開。
まっとうな抗議が通らない世の中は今も続いている。人間が人間である限りなくならないのかもしれない。それでも、誰かの権利を奪っていいわけがないし、国家を動かすものが私利私欲で動く中、声を上げる者を排除するなんてもってのほか。もし勝手に動いた信者的存在の仕業ならしっかり裁くべき。でもそんな綺麗に世の中できていない。それでも、そんな世の中に一石を投じるために声を上げた女性がいた。お恥ずかしい話、私自身も『OXANA/裸の革命家・オクサナ』で初めて彼女の存在を知ることに。どうかこのページから少しでも興味をもってくれる人がいたらいいなと思うし、できればこの傑作映画を自分の目で見つめてほしい。ただ、知ってもらいたい気持ちが溢れているのと、私の簡素な言葉では説明しきれないので、以下のあらすじで熱を感じてほしい。
オクサナ・シャチコ、ウクライナ出身の芸術家であり、活動家。貧しい家庭に生まれ、幼いころから教会の依頼でイコン画(礼拝や祈りの対象として描かれるイエスキリスト、聖母マリア、聖人などの聖なる絵画のこと)を描き売っていた。しかし、約束の報酬額を貰うことはできず。母親はアルコール依存の父親を支える毎日。そんな環境で育ったオクサナは、自然と不正義や男尊女卑、家父長制などの不均衡に疑問を持つようになり、耐えかねた結果、家を出た。そして、討論サークルで出会った同志と共にフェミニスト活動団体「FEMEN」を立ち上げる。医療過誤によって女性患者を死なせた病院の腐敗へ対する講義から始まり、自国の女性の扱い(売春を観光産業として扱う議員への抗議)、他国を含めた権威主義体制による腐敗、国家と教会の癒着、選挙不正を告発するために活動を広げていった。ただ抗議の声を上げているだけでは届かないことを悟っていたオクサナは、大胆な考えを実行する。頭には花冠、衣服は下着のみを身に着け声を上げていく。これは権威主義を継続したい男性が女性に求める姿であり、その姿で抗議の声を上げることで自分たちが何を大事に守っているかを分からせる意味があったように思う。さらにオクサナは一歩踏み出す。上半身の衣服は全て脱ぎ捨てた。そしてカメラの視線を集めることに成功していく。一見ぎょっとする行動かもしれないが、自らの身体を性的消費のまなざしから解放し、自分たちの戦闘服に変換していったのだ。こうして世界的な注目を得られたわけだが、引き換えによく思わない人間から恨まれパリへ亡命を余儀なくされる。仲間が増え、順調に世界に声を届けていた彼女は再び孤独を抱え、ひっそりと姿を消していく。
今もなお、戦火が止まないウクライナ。本作の登場人物は、監督がオンラインでオーディションを行い、選ばれたウクライナの女性たちが演じている。当事者性が高いキャスティング。何も改善されていない状況で出演すること自体とても勇気がいることだが、素晴らしい俳優が揃った。彼女たちが体現することで映画の格が一段と上がっていると感じるし、意義深い。特にオクサナを演じたアルビーナ・コルジさんは生き写しと言っていいほどの名演で、彼女の力強い存在感が映画全体を包み込んでいる。オクサナ・シャチコの31年をまなざし、いま世界で何が起きているのかをしっかり見つめていかなければいけない。
fromブライトマン
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

















