作家志望の青年がセックスワークの世界に踏み込む『SEBASTIAN セバスチャン』がいよいよ劇場公開!
©Sebastian Film and The British Film Institute 2024 / ReallyLikeFilms
ロンドンのクィア・エコノミーを背景に、小説家を目指す青年が、デビュー作品をリアルにするために、偽名を使って男性を相手にしたある商売を行う『SEBASTIAN セバスチャン』が1月9日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『SEBASTIAN セバスチャン』は、ロンドンの街を舞台に、小説家の夢とセックスワークの狭間で揺れ動く青年の姿を赤裸々につづったドラマ。ロンドンに暮らす作家志望の青年マックス。将来を嘱望されている彼は、デビュー作となる長編小説をリアルなものにするため、セバスチャンという名前で男性相手のセックスワークを始める。未知の世界へと足を踏み入れ、さまざまなクライアントと接していくうちに、マックスは自分自身とセバスチャンとの境界線を次第に見失っていく。
本作では、スコットランドとイタリアをルーツに持つルーアリ・モルカが、美しい容姿とナイーブな内面を持つ主人公マックスを繊細かつリアルに演じ注目を集めた。共演は『タイタニック』のジョナサン・ハイド、『馬々と人間たち』のイングバル・シーグルズソン。監督・脚本は、ヌーベルバーグ以降のフランス映画に強く影響を受けたというフィンランド出身の新鋭ミッコ・マケラが務めた。

©Sebastian Film and The British Film Institute 2024 / ReallyLikeFilms
映画『SEBASTIAN セバスチャン』は、1月9日(金)より全国の劇場で公開。関西では、1月9日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田、1月23日(金)より京都・烏丸御池のアップリンク京都で公開。
作家が、次回作で題材とするものについて、その現場に飛び込んで取材する、といった作品はこれまでにもいくつもあっただろうか。本作では、男性を相手するセックスワークを題材とした小説を描くために、自身のプライバシーを守るためにも、偽名を用いて、その世界に飛び込んでみた。その名前が”SEBASTIAN(セバスチャン)”である。現代的に云えばハンドルネームと表現した方が分かりやすいだろうか。主人公である作家志望の青年マックスにとっては、もう1人の自分のように捉えている。あくまで、作家志望であり、昼間は出版社の編集部で働く非正規労働者だ。時間的な拘束はそれほどきつくなく、作家志望者が集うコミュニティにも顔を出している。或る種の好青年であるマックスだが、夜になれば、セックスワークを営むセバスチャンという姿は興味深い。相手にするお客さんは、性欲をむさぼる男だったり、夜の寂しき時間に癒しを求める男性だったりもする。所謂、「英雄色を好む」と云われる世界とは一風変わった様相が伺えた。そんな様々な経験を、作家志望の青年ならではのタッチで小説化していくプロセスは実に興味深い。しかし、自身のことが小説化されることについて、喜ばしく思えるかは千差万別。それに気づけず、マックスはセバスチャンとの区別が曖昧になってしまい、行きつくところまで迷い込んでしまう。果たして、彼は小説家になりえるのだろうか。ぜひ劇場で確かめてほしい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

















