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人魚の名でナポリの街を意味する名前を授けられた女性の生涯を描いた人生讃歌!『パルテノペ ナポリの宝石』がいよいよ劇場公開!

2025年8月19日

©2024 The Apartment Srl – Numero 10 Srl – Pathe Films – Piperfilm Srl

 

南イタリアを舞台に、“パルテノペ”と名づけられた美しい女性が背負う悲劇的な人生を描く『パルテノペ ナポリの宝石』が8月22日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『パルテノペ ナポリの宝石』は、南イタリアの街ナポリを舞台に、神秘的な美しさと悲劇を背負う女性パルテノペの生涯を丹念に描いたドラマ。1950年、風光明媚な港町ナポリで生まれた赤ん坊は、ギリシャ神話に登場する人魚の名前であり、ナポリの街を意味する「パルテノペ」と名づけられる。美しく聡明で誰からも愛されるパルテノペは、繊細な兄ライモンドと深い絆で結ばれていた。年齢と出会いを重ねるにつれ美しくなっていくパルテノペだったが、彼女が輝きを増すほど、兄の孤独があらわになっていき、やがて悲劇が起こる。

 

本作は、『グレート・ビューティー 追憶のローマ』でアカデミー外国語映画賞を受賞したイタリアの巨匠パオロ・ソレンティーノ監督が、自身の故郷である南イタリアの街ナポリを舞台に描いた。主人公パルテノペ役には、本作がスクリーンデビューとなるセレステ・ダッラ・ポルタを抜てき。年老いたパルテノペをイタリアのベテラン女優ステファニア・サンドレッリ、パルテノペと運命的な出会いを果たす作家ジョン・チーヴァーをゲイリー・オールドマンが演じた。ファッションブランド、サンローランの映画製作会社サンローランプロダクションが製作を手がけ、サンローランのクリエイティブディレクターを務めるアンソニー・バカレロが衣装のアートディレクションを担当。2024年の第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。

 

©2024 The Apartment Srl – Numero 10 Srl – Pathe Films – Piperfilm Srl

 

映画『パルテノペ ナポリの宝石』は、8月22日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開。

南イタリアの街ナポリを舞台に、神秘的な美しさと悲劇を背負う女性が主人公の物語…と聞くと、美しい自然の景色の下で、美しい女性が周りの男性を狂わせたり、逆に狂わされていく…といったストーリーテリングかと思いきや、決して予定調和な作品ではなかった。まず特筆すべきは、これぞ”才色兼備”な女性として描いている点だ。大学で人類学を学びながら好奇心に満ちており、口頭試問では絶大な評価を受けている。いつ、どのようにして学問に励んでいたのか明確には描かれていないが、それらを想像するのも興味深い。芸は身を助ける、という諺の如く、生涯を以て彼女を助けていくのだから、惹き込まれて魅力の一つではある。されど、彼女が解き放つ様々な魅力が由縁になるのだろうが、家族や周囲にいる人物に良からぬ影響を与えかねないのは切ない。美しさが周囲を壊す刃になってしまうのは不思議なものだ。だからこそ、彼女は自らの視点を以て人類学を学んでいたのだろうか。自らが携えているものによって、周囲に幸せをもたらすか、不幸に引き寄せてしまうか、紙一重であることを描写しているようでもあった。周囲を狂わせ、自らを狂わせながらも、最終的に彼女は人生において何を選択し何処に行きつくのか…どのように受けとめるか、は観る者次第であるが、大いなる人生賛歌!と云うに値する作品である。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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