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人身売買をなくそうと悪戦苦闘した栗本英世さんの足跡を辿る『OKAは手ぶらでやってくる』がいよいよ関西の劇場でも公開!

2025年5月20日

©2024 NPO法人映像記録/ウェストサイドプロダクツ

 

ひとりNGOとしてカンボジアで活動し、2022年に亡くなった栗本英世さんを追ったドキュメンタリー『OKAは手ぶらでやってくる』が2025年には5月24日(土)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『OKAは手ぶらでやってくる』は、東南アジアで「ひとりNGO」として活動し、2022年に1歳で他界した「OKA」こと栗本英世さんの足跡をたどったドキュメンタリー。1980年代後半、日本から東南アジアへ飛び出した栗本英世さんは、ラオスやタイの山岳地帯で売られる子どもを助けようとするが、親が立ちはだかり失敗が続いた。やがて内戦終了後のカンボジアにたどりついた彼は、難民が暮らす地雷原の村々で現地の人たちとともに地雷撤去に奔走する一方で、孤児たちを人身売買から守る「こどもの家」を開設し、識字教育をするため草葺きの寺子屋づくりを始める。いつも一文なしの手ぶらで現れることから、いつしか彼は現地の人々から「OKA(カンボジア語でチャンスの意)」と呼ばれるようになった。そんな栗本さんの人生を、生前の映像や関係者の証言を通してひもといていく。監督は、主に近畿圏の民俗行事や芸能についての記録映像を制作し、市民活動やNGOを支援するNPO映像も手がけてきた牧田敬祐さん。シンガーソングライターの友部正人が挿入歌を提供。東京ドキュメンタリー映画祭2024にて長編部門グランプリを受賞した。

 

©2024 NPO法人映像記録/ウェストサイドプロダクツ

 

映画『OKAは手ぶらでやってくる』は、関西では、5月24日(土)より大阪・十三のシアターセブン、6月6日(金)より京都・出町柳の出町座、6月13日(金)より兵庫・神戸の神戸映画資料館や豊岡の豊岡劇場で公開。なお、シアターセブンでは、5月24日(土)と5月25日(日)に牧田敬祐監督、5月31日(土)に牧田敬祐監督と高賛侑さんを迎え上映後に舞台挨拶を開催予定。

本作を観ていると、NGOやボランティア活動の本質を理解することが出来る。物理的な支援は一時的には良いかもしれないが、恒久的にはよろしくない可能性もあるんだな。起こっている問題の本質を掴むことが出来たなら、根源をただし、未来に向けて活動していく必要性について自ずから認識できる。物理的な支援は、与えられる側にとっては有り難いものではあるが、それをいつまでも受けていたいならば、不要な犠牲も生じてしまうことを知らされ、現実を思い知らされてしまう。そこで、本作の主人公である栗本英世さんは、未来に繋げていくための様々な”機会”を与えていた。支援を受ける方の中には、ピンと来ない方もいるかもしれない。だが、将来的には、支援を受ける必要がない状態に変化していくためには必要なことであることに気づかされるだろう。まさに”OKA”をもたらす人物であった。とはいえ、栗本さんは、ストレートにそのプロセスに至ったわけではないようだ。様々な挑戦のプロセスを経て、ここまでの段階に至った。そんなことにも携わっていたの!?と驚きを隠せない事実も本作には盛り込まれている。だからこそ、栗本さんについて後世に伝えていくべく、本作が製作された意義があるのだ。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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