フェラーリ社をイタリア屈指の自動車メーカーへ成長させた稀代の経営者エンツォ・フェラーリの姿を描く『フェラーリ』がいよいよ劇場公開!
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フェラーリ社の創始者エンツォ・フェラーリの激動の1年を描く『フェラーリ』が7月5日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『フェラーリ』は、イタリアの自動車メーカー・フェラーリ社の創業者エンツォ・フェラーリを描いたドラマ。私生活と会社経営で窮地に陥った59歳のエンツォが起死回生をかけて挑んだレースの真相を描く。1957年、エンツォ・フェラーリは難病を抱えた息子ディーノを前年に亡くし、会社の共同経営者でもある妻ラウラとの関係は冷え切っていた。そんな中、エンツォは愛人リナとその息子ピエロとの二重生活を妻に知られてしまう。さらに会社は業績不振によって破産寸前に陥り、競合他社からの買収の危機に瀕していた。再起を誓ったエンツォは、イタリア全土1000マイルを縦断する過酷なロードレース「ミッレミリア」に挑む。
本作では、マイケル・マン監督が、アダム・ドライバーを主演に迎え、ブロック・イェーツの著書「エンツォ・フェラーリ 跳ね馬の肖像」を原作に描いている。妻ラウラをペネロペ・クルス、愛人リナをシャイリーン・ウッドリーがそれぞれ演じた。
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映画『フェラーリ』は、7月5日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田、心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋、難波のTOHOシネマズなんばやなんばパークスシネマ、京都・二条のTOHOシネマズ二条や七条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開。
近年は、2020年に『フォードvsフェラーリ』が劇場公開され、1966年のル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに戦いを挑んだフォードの男達が描かれた。では、そもそもフェラーリの男達はどのような存在だったのか、本作ではその極々一部が描かれていく。1957年当時、フェラーリの創業者であるエンツォ・フェラーリは公私共に窮地に陥っていた。元々は、アルファロメオのレーシングドライバーであったエンツォが1929年に創設したのが、ソチェタ・アノーニマ・スクーデリア・フェラーリ。第二次世界大戦の終戦後、改めてフェラーリを設立しレーシングスポーツに参戦し優勝を飾っていく。だが、エンツォの個人的な好き嫌いによる人事、過剰なモータースポーツへの投資、旧態依然とした生産設備による生産コストの高さが収益を圧迫し、会社経営としては窮地に陥っていったわけだ。しかも、エンツォの妻ラウラが共同経営者でもあり、難病を抱えた息子ディーノを前年に亡くしたこともあり、夫婦関係はぎくしゃくしている。といった背景があるならば、経営者エンツォをアダム・ドライバーが演じることも納得してしまう。どこか冴えない役を演じることには全くブレていない。…といったことはさておき、起死回生するべくフェラーリが挑んだのはイタリア全土1000マイルを走るミッレミリア。紆余曲折を経ながらも有望なドライバーを揃え、こんな結末に至ってしまうとは…レース結果を知っている方が観てもスクリーンを食い入って観てしまう魅力がある作品に仕上がっているのではなかろうか。エンツォの苦難を描く人間ドラマとレースの臨場感や迫力が備わった渾身の一作を存分に堪能してほしい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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