偏執狂の男が母親のもとに帰るために壮大な旅に出る『ボーはおそれている』がいよいよ劇場公開!
©2023 Mommy Knows Best LLC, UAAP LLC and IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.
母親の突然の訃報を受けて、帰省しようとする怖がりの男性が、玄関を開けた途端に日常とかけ離れた不可思議な世界で冒険を繰り広げていく『ボーはおそれている』が2月16日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ボーはおそれている』は、怪死した母のもとへ帰省しようとした男が奇想天外な旅に巻き込まれていく姿を描いたスリラー。日常のささいなことでも不安になってしまう怖がりの男ボーは、つい先ほどまで電話で会話していた母が突然、怪死したことを知る。母のもとへ駆けつけようとアパートの玄関を出ると、そこはもう“いつもの日常”ではなかった。その後も奇妙で予想外な出来事が次々と起こり、現実なのか妄想なのかも分からないまま、ボーの里帰りはいつしか壮大な旅へと変貌していく。
本作では、『ミッドサマー』『ヘレディタリー 継承』の鬼才アリ・アスター監督と『ジョーカー』『ナポレオン』の名優ホアキン・フェニックスがタッグを組んだ。『プロデューサーズ』のネイサン・レイン、『ブリッジ・オブ・スパイ』のエイミー・ライアン、『コロンバス』のパーカー・ポージー、『ドライビング・MISS・デイジー』のパティ・ルポーンが共演に名を連ねている。
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映画『ボーはおそれている』は、2月16日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や大阪ステーションシティシネマ、難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や七条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。
日常のささいなことでも不安になってしまう怖がりの主人公ボー。そういった一面にはわりと共感できてしまう。どんなことでも気になってしまいがちで、何度も確認してしまいがち。でも、執着し過ぎて、却って宜しくない事態に巻き込まれてしまうんじゃないか、と思ってしまい、夢にまで見てしまう。だが、ボーには夢でなく、彼が生きる現実の世界では遭遇せざるを得ない。ボー自身にとってはスリラー映画のような体験でしかないが、観客として観るならば、コメディ映画として楽しむことが出来る。しかも、ボーを演じるのは、『ジョーカー』のホアキン・フェニックス。残念な人生を生きるボーを演じるには最適のキャスティングだ。…と楽しみながら観ていると、本作で描かれているのは、ボーと彼の母親との関係性であると気づかされていく。母親の突然死により急遽里帰りしなければいけなくなったが、自分が生まれ育った家にどうにか戻ってきたとしても、異様な事態しか残っていない。それは、ボーが長年抱えていた深層心理の由縁が生じさせたものだろうか、と様々に考えさせてしまう。時折、本作を手掛けたアリ・アスター監督の過去作をイメージさせるようなシーンもあり、セルフオマージュできる器量に驚かされた。そんなシーンの中にボーを存在させようとした意地悪な監督の手腕には笑ってしまう。最終的にボーはどのような境地に至ったと捉えられようか、観た者同士で大いに語り、騒ぎ合いたい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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